血行を改善する薬 体の状態に合わせて正しく使う!

体を健康に保つためには、充分な睡眠と適度な運動、そして体をつくるためのバランスの良い食事が欠かせません。

しかし、忙しい毎日の仕事や家事、ストレスの多い環境のなかで、日々健康に良いことばかりとも限りませんね。体に表れた小さな不調を見逃さずに、こまめにケアしてあげることが大切です。

不調な箇所と原因を正しく知り、それぞれにあった薬やサプリメントを用いることで、血行を良く保つことができます。

○血(けつ)状態をよくする東洋医学の薬
東洋医学では、気と血を整えることで体が健康に保たれるという考えを基本としています。漢方には、多くの血行改善薬があり、それぞれが違った役割をもっています。単純に血行を良くするという事を目的とするのではなく、原因や症状にあった漢方薬を使用することが、元気な体を維持するためにとても重要です。

●瘀血(おけつ)を改善する
東洋医学では、血液の循環が悪い体質を瘀血(おけつ)と呼びます。血液そのものの状態が良くないために血管が詰まりやすくなり、血流が悪くなってしまうというタイプです。

肩こりがひどい、創傷の治りが悪い、肌がくすんで潤いがない、頭痛が絶えないという症状を訴える人に多いのがこのタイプで、血の循環が悪いため、末端部分だけではなく内臓も冷えやすくなり、体の芯から温まるという感覚が乏しくなります。

●症状別に効く漢方薬 
女性に多いのが瘀血タイプで、体内温度が下がって血が滞るため生理痛や子宮にまつわる病気を引き起こしやすくなります。

生薬では丹参(たんじん)が最適で、これが含まれている漢方薬の「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」は、血をきれいにし、流れを良くする効果がある事で認知度も高い薬です。

足腰の冷えや、体の冷えからくる腰痛、関節痛には「桃核承気湯」や「桂枝ぷくりょう丸」「五積散」などがあります。

○西洋医学の薬
痛みや損傷の部分を治療するという考えを元にしているのが西洋医学で、どうすれば血行が良くなるかという原因を改善する発想から、薬が開発されています。

血管そのものの細さが原因なら、血管を拡張させる働きのある「プロレナール®」があります。末梢神経の冷えを改善し、コレステロールの沈着を抑える働きがある「ユベラN」は、ビタミンから生成されているので緩やかに効果をもたらします。

血管の収縮を抑える「アンプラーグ」や、傷病(動脈閉そく症や虚血性疾患)を改善するための「オパルモン」など、その症状に特化した薬剤を使用しなければ、改善が難しいだけではなく逆に体に負担を掛け、他の不調をもたらす危険があります。

薬は、体の症状に合わせて適切に使ってこそ効果を得ることができます。処方箋が必要な薬剤もありますので、きちんと医師や薬剤師に相談して服用するようにしましょう。