排せつ介助を行う際に大切な事は、利用者の尊厳を守ることと日々の健康チェックが大切ではないでしょうか。肌の状態を観察するうえで、陰毛があると観察が難しく不衛生になりがちです。今回は介護脱毛のメリット・デメリットを紹介します。
~おさらい~ 排せつ介助の注意点
介護士なら排せつ介助の注意点はご存じでしょう。いちど初心に戻るつもりで、おさらいしてみましょう。
〇プライバシーに配慮・自尊心を傷つけない
〇排泄後の介助者を観察する
〇排泄後に声かけをする
以上の注意点をふまえて、男女別・陰部洗浄の注意点もみてみましょう。
~女性の場合~
尿路感染や膣炎を防ぐために、拭いたり洗ったりする時は必ず「上から下に向かって」行いましょう。排泄物が陰部内部に残っている場合もあります。必要があれば陰唇をひらき、内部の洗浄も行いましょう。
~男性の場合~
男性も尿道からの感染を防ぐために「亀頭・陰茎・陰嚢」の順で洗浄を行います。皮膚が重なっている部分もあるため、しっかりと皮膚を伸ばし排泄物を取り除きます。陰嚢の周辺にも残っていないか確認を行うことが大事でしょう。
介護脱毛とは?
排せつ介助で無い方が楽なものは「陰毛」です。
陰毛があると、便や汚れが取れにくく臭い・肌荒れの原因にもなってしまいます。不衛生にならないよう、ゴシゴシと拭き取ると利用者から痛みを訴えられてクレームに繋がる場合もあり問題・課題になっています。
将来を見据え、陰部の脱毛を行うのが「介護脱毛」です。介護のお世話になる前に、先々負担がかからないよう前もって処置を受ける方が近年増えています。
40~50代の方を対象としたアンケートでは半数以上の方が介護脱毛を検討しているというデータもあります。
脱毛のメリット・デメリット
介護士からみる「介護脱毛」は、メリットが多くデメリットはありません。理由としては以下のようなものがあげられます。
~介護士からのメリット~
〇陰部洗浄がきれいに行える。
〇不衛生になりにくく、肌トラブルになりづらい。
〇肌の状態が見やすくなるため、炎症が起きても初期段階で対処できる。
〇臭いがこもりにくくなる。
デメリットとして上げられる点が全くありません。ご自身のご両親に、将来の介護を考えてもらい「介護脱毛」をお勧めするのもよいでしょう。
脱毛を行う側からのデメリットとしては、以下の点が上げられます。
~介護脱毛を行う側のデメリット~
〇脱毛する際に、多少の羞恥心がある。
〇痛みをともなう。
〇脱毛後は元のアンダーヘアに戻せない。
現在の皮膚科は女医が多く、痛みも軽減できるよう工夫されています。将来の事を考えると、メリットの方が多いといえるでしょう。
まとめ
介護脱毛のメリットとデメリットについて紹介させて頂きました。介護は色々な問題を抱えていて、排せつ介助はとてもデリケートな問題です。「どれだけ利用者の負担を減らせるか」が課題となるでしょう。介護脱毛はその課題をクリアすることの出来る、一つの手段だといえます。
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