認知症介護実践者研修の概要とメリット

介護士と介護サービス利用者

○認知症を取り巻く環境とは?
高齢化社会を迎える日本。その対応が急がれていますが、そのひとつが「認知症への対策」です。厚生労働省の発表では、「65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計」において、平成24年では認知症高齢者数462万人に対して、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)が認知症であるとなっています。


しかし、平成37年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症と診断される、との推計を発表しています。このような背景から、介護職員への認知症の病態理解・対応力のさらなる向上が求められているのです。
「認知症介護実践者研修」は認知症に関する知識や技能を、段階的に身につけることができる最初の研修として位置づけられています。「介護」という仕事をしていく中で、キャリアパスの一環として受講される方も非常に多い研修です。
この研修の概要と、受講することで得られるメリットをみていきましょう。

○認知症介護実践者研修とは?
認知症介護実践者研修は、認知症に関する知識や技能を高めて、介護サービスの向上を図ることを目的とした研修です。
各都道府県および指定都市が主体となって実施しており、それぞれで受講要件や研修カリキュラムが異なります。特に受講要件に関しては「介護経験が2年程度以上」というような要件もあるため、対象となる研修先のホームページや案内を確認しておきましょう。
研修を受講するための料金は東京都では無料となっています。

○認知症介護実践者研修のメリット
この認知症介護実践者研修の受講は、さらなるステップアップ研修となる認知症介護実践リーダー研修、認知症対応型サービス事業管理者研修、小規模多機能型サービス等、計画作成担当者研修などを受講するために必要な研修となっています。
このように段階的に研修を受講することで「認知症介護のスペシャリスト」として自己研鑽をすることができます。
現在では、ほとんどの介護施設や病院においても認知症の方はおられるため、普段の介護業務や後輩の指導などに役立ちます。
また、受講修了すると履歴書にも記載できるため、転職をする際には大きなアドバンテージになることは間違いありません。
特に、グループホームでは「計画作成担当者」を1ユニットにつき1人配置しなければならず、この計画作成担当者は認知症介護実践者研修を必ず受講修了しておく必要があります。
グループホームへの転職や、介護分野において転職の幅を広くしたいと考えている方にはおすすめの研修です。