介護医療院とは

介護医療院についてあまり知らないという方は多いのではないでしょうか。それもそのはずです。介護医療院は、2018年4月に創設されたからです。

今回は、介護医療院とはどのようなものなのかについてご紹介します。

目次

1.介護医療院とは

2.介護医療院に期待されることとは

3.介護医療院と他の介護施設との違いとは

1.介護医療院とは

介護医療院は、要介護高齢者の長期療養・生活のための施設になります。要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。

2023年に廃止する介護療養型医療施設の転換先として、2018年4月に創設されたのが介護医療院になります。

2.介護医療院に期待されることとは

先ほども述べたように、介護医療院は、介護療養型医療施設からの移行が見込まれますが、単なる療養病床等からの移行先ではなく、「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」として創設されました。介護医療院においては、「利用者の尊厳の保持」と「自立支援」を理念に掲げ、「地域に貢献し地域に開かれた交流施設」としての役割を担うことが期待されるのです。

具体的には、医療提供施設の側面も持ちながら生活施設としての役割を果たすために、ハード面として、パーティションなどの視線を遮るものの設置のみならず、ソフト面にも配慮したプライバシーの尊重などが求められています。

また介護医療院は、介護老人保健施設や特別養護老人ホームと同様に地域交流を基本方針として位置づけています。このため、介護医療院に参入しようとする事業者には地域の中でどういう役割を果たし、地域といかに交流をしていくのか等について、地域の住民に対し懇切丁寧に説明を行うことが求められます。閉鎖的な存在となることなく、地域交流やボランティアの受け入れなどに積極的に取り組むことで、介護医療院が地域に開かれた施設となると期待されています。

3.介護医療院と他の介護施設との違いとは

・介護医療院は、要介護高齢者の長期療養・生活のための施設

要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。

・介護療養型医療施設は、医療の必要な要介護高齢者のための長期療養施設

療養病床等を有する病院または診療所であって、当該療養病床等に入院する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話および機能訓練その他必要な医療を行うことを目的とする施設です。

・介護老人保健施設は、要介護高齢者にリハビリ等を提供し、在宅復帰・在宅支援を目指す施設

要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、要介護高齢者のための生活施設

入居する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行うことを目的とする施設です。