政府は補正予算案に組み入れた1,000億円を活用し、今年2月から介護職の賃上げがスタートします。介護職に携わる方は、今後いくら賃上げするのか?気になっている部分だと思います。今回は、2022年の賃上げ制度について見ていきましょう。
2022年2月からの給与アップ政策
今年の2月から介護職の賃上げが開始されます。その内容は、1人の職員に付き月額9,000円程度上がるという形です。その支給の方法は、2022年2月〜9月までに関しては国費の交付金で全額支給されます。これは、事業所が一括申請して支払われた金額を分配するものです。
そして2022年10月以降は、介護報酬に組み込まれて恒常化する予定です。
対象の事業所 ~補助金を受け取るための条件~
今回の賃上げは残念ながら介護職の方、全員が対象ではありません。対象となる事業所の条件1つ目は、処遇改善加算Ⅰ~Ⅲいずれかを取得している事業所です。
しかし、同加算が算定できない訪問介護、福祉用具貸与(販売)事業所、居宅介護支援、訪問リハビリテーション、介護予防支援、居宅療養管理指導などは対象外となっています。
2つ目に、2022年2月・3月からの賃上げ引き上げを行っている事が条件になります。3つ目に、補助額の3分の2以上は、毎月決まって支払われる手当のアップや基本給に使用される事、この3つの全てに当てはまる事業所が対象です。
対象者は本当に月額9,000円もらえるのか?
ここで賃上げ補助金の分配方法について、ふれたいと思います。賃上げの対象となるのは、先述した内容に該当する施設または事業所で働く介護職員となっています。介護の現場で、実際に介護を行っているスタッフであれば、雇用形態、資格の有無に関わらず支給される方針です。
つまり、正社員以外のアルバイトやパート、派遣社員の方も支給の対象となっています。また、他の職種でお仕事をしていても介護職員と兼務している際には対象になります。
ここで1つ注意点があります。介護職員以外の職種で「介護助手・介護施設のケアマネージャー・相談員・栄養士・看護師・事務職・リハ職」などは対象ではありません。
しかし、対象のスタッフへの分配に関しては、事業所の判断により介護職員以外への分配も可能になっていて、柔軟な運用が認められています。
要するに、常勤介護職員に月額9,000円の報酬が上がるだけの補助金が事業所には支給されますが、個人の給与が上がるかは事業所次第であると言えるのです。
また、最低人員配置基準をもとに算出されるため、基準より多くのスタッフを配置している施設の場合は、1人あたりの金額は少なくなるでしょう。
とは言え、1ヵ月数千円でも給料が上がると、たとえ少なくても介護職の待遇改善のきっかけとなりますし、段階的にでも業務に見合った昇給ができるように、これからのさらなる政策を望みます。
まとめ
2022年の介護職、賃上げについてお分かりいただけたでしょうか。対象となるには3つの条件をクリアした事業所が支給の対象です。ですが実際に賃上げの有無や、支給される金額については事業所の判断に委ねられます。 介護業界の人材の確保と財源の確保は今や、全国民が当事者意識を持つべき国の課題であると言えるでしょう。
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