褥瘡の検査は限られており、その中で検査といえばエコー検査です。エコーは超音波検査となり、普通なら心エコーや腹部エコーなどが一般的です。ですが、褥瘡検査で欠かせないのが褥瘡エコーになります。今回は褥瘡エコー検査が、どういった形で役にたつのかを考察していきます。
■検査機械の小型化で実現した褥瘡エコー検査
病院などでは小型化で軽量化した、ポータブルタイプのエコー機器が性能も向上していて、検査室にわざわざ行かなくてもベッドサイドなどで、手軽に画像診断を行うことができるようになりました。
■褥瘡ケアに褥瘡エコーが貢献できる役割
褥瘡発生は通常表皮から始まり、真皮、皮下組織、筋肉、脂肪、骨の順に形成されていきますがこの、形成過程に当てはまらない見えない物として深部損傷褥瘡があり、医療用語ではDTIといいます。
褥瘡は骨に近づくほどひどくなり、ポケット(穴)などができますから、表面から肉眼でみることができますが、深部損傷褥瘡(=DTI)の場合、皮膚には傷が見当たらず、内部の脂肪や筋肉に酷い損傷が生じている状態です。
これは判断を誤ると、急速に深い褥瘡に発展しかねない状況となる危険な褥瘡といえます。この深部損傷褥瘡(=DTI)が、肉眼では識別が難しいことから、褥瘡エコーを使うことで、正確に褥瘡の有無を識別できるのです。
■褥瘡エコーで初期の発赤を確認する
褥瘡の最初の段階は発赤から始まります。発赤は処置を誤ってしまうと治すどころか深部損傷褥瘡(=DTI)になってしまい、重症化し転帰することもあります。主治医の肉眼や、触診のみで判断を行うことと併せて、褥瘡エコーのデータを参照することでより正確な判断が可能となります。
■褥瘡エコーで深達度を検査する
褥瘡エコーを導入することにより、通常の目視判断可能な褥瘡も、どこまで到達しているのか、損傷がある部位をしっかりデータとして確認できるようになりました。これにより、適切な処置判断をすることができ、傷の拡大を食い止める処置を迅速に行えます。
■褥瘡エコーでポケットを検査する
本来、褥瘡のポケット確認は、綿棒やPライトなどを使用し、深達度を確認していましたが、褥瘡エコーを導入することで、綿棒やPライトで確認できない、周囲に褥瘡エコーをあてて、ポケットが拡大する可能性が高い範囲も精度の高いデータとして確認することができるようになりました。褥瘡エコー検査は治療や予防に大いに役立っているのです。
■まとめ
褥瘡を検査するということは、褥瘡の疑いがあるということです。この時点で褥瘡エコーの検査もありえます。深達度次第では入院する可能性もあります。そうなれば数日? 数か月? がんじがらめになり最悪の状態といえます。そうならないためにも、日頃から体位変換やプッシュアップ。栄養面などに気をつけ、自信の体を観察することが望ましいです。
褥瘡ケアには効率的な予防・改善を期待できる、Relafeelの併用も検討することをお勧めします。