デブリードマンを行ったら 術後の看護ポイントは

炎症や感染が広まった褥瘡は、そのまま処置を続けていても(創傷の状態を保存処置することができても)快方に向かわせるのは難しいでしょう。
汚い創をきれいな創に近づけて、創傷部の広がりを抑えるには、デブリードマンを実施するのが適切です。
しかし、どの場合においてもデブリードマンをすぐに実施すべきというわけではありません。また、処置も定型ではなく、その傷の状態に合わせて必要な薬の処方とケアが必要です。

〇デブリードマン術の直後に注意すべきこと

壊死や化膿した細胞を取り除き、きれいで新しい細胞を育てること。これが褥瘡の治療で最も重要であり優先したいポイントです。そのためには、常に創面を清潔にすること、そして湿潤環境を良好に保つことが重要となります。

特に、デブリードマンを実施した直後は、深度によっては筋肉や筋膜が露呈した状態です。皮下組織や脂肪、筋膜など、通常は皮膚のバリアで守られている部位は感染しやすいので、特に感染リスクを可能な限り排除して、良好な肉芽細胞が育つ環境を整えましょう。

〇デブリードマン後の湿潤コントロール

褥瘡の治療過程で、ドレッシング材を利用する場面は非常に多いです。患部をしっかりと密閉し、外部の感染リスクを避けることができる点で、褥瘡治療には欠かせないと言えます。
しかし、創部の感染を予防するのと同様に、仮にデブリードマンと洗浄を繰り返していても感染細胞が残存したままだった場合は、創部に感染源を閉じ込めることになります。
細胞形成の為に、湿潤コントロールを行いながら、ドレッシング材を交換する時は、適切なメンテナンス(維持)的デブリードマンを実施することが必要です。

〇看護ケアと肉芽細胞の確認

デブリードマンの処置には一部、外科的な施術が必要となる場合があります。その他はおおむね、経過の観察と処置を行う看護師が、褥瘡の状態確認とポイントの観察を行います。
看護ケアと観察の中で、もっとも注意したいのが「感染」と「肉芽」の状態です。肉芽の形成は、治癒に向かう褥瘡の回復期に現れますが、肉芽がなかなか形成されない場合には、その兆候を見て適切な管理に改善していかねばなりません。

●デブリードマン後の肉芽観察
良好な肉芽細胞を形成しているか否かは、「つや・色相・粒の密度」で評価します。肉芽の状態が良いと、細胞の色は赤みがかったピンク色で、ツヤがあります。反対に不良肉芽の場合、黄色や蒼白でツヤもなく、浮腫が見られます。

日々、肉芽の状態変化を見ることができるのは、処置を行う看護師です。もし臭いや色など、感染兆候や浸出液量変化が現れたときは、こまめに医師へ相談をして、外用薬の処方や処置についての指導を仰ぐようにしましょう。

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