褥瘡予防に必要な看護計画とケア方法

褥瘡を予防するためには、定期的な体位変換が非常に有効だとされています。
実際に患者に対する体位変換を日常的に行うのは、病棟看護師の役割となり、定期的に実施できたかどうかは看護記録に記されます。
計画的に体位変換を実施するために欠かせないのが、看護計画です。
看護計画の中に、体位変換とともに患者の創傷の具合に応じた処置・ケアを取り込みながら、長期的に看護を行っていく必要があります。


○褥瘡予防のための体位変換間隔
体の神経系疾患または損傷による麻痺患者、上肢または下肢の骨折などによる固定具装着をしている患者は、恒常的に体の自由が奪われます。
褥瘡は、体の圧迫による血流不足が原因でおこるため、長時間同じ個所を押さえつけるような臥床体位をとり続けないことが大前提です。
どうしても圧迫を免れない箇所には、低反発マットレスなどを用いてケアを行いますが、医療用寝具に頼るだけでなく、可能な限り除圧を行うのが理想でしょう。

 
●褥瘡予防に推奨される体位変換間隔
長期にわたって日本では、子の体位変換の間隔を2時間おきとすることが理想とされていました。
しかし、実際の看護現場では褥瘡に対する危機管理や意識も高まり、体圧分散マットレスの導入が進んでいます。
臨床症例研究で、二層式エアマットレスを使用した場合では同一体位で4時間までは、褥瘡発症の危険性は少ないという結果もあります。
(日本褥瘡学会誌2003「体位変換の時間おw二時間以上とした症例の検討」より)
ただし、日本褥瘡学会の「褥瘡予防・管理ガイドライン」の中では、やはり体位変換の間隔は二時間を超えないようにするのが望ましいとしています。
これは、褥瘡発症場所が、現場や老人ホームなどの医療外施設でケアする場合を想定していると考えられます。

 
○患者の状態に応じて応変な看護計画を
褥瘡の進行は日々刻々と変化します。数時間で発症する可能性がある褥瘡は、ケアを怠ると日増しに症状が悪化し、治癒に時間もかかります。
定期的な体位変換で予防をしつつ、発赤などの初期症状が現れていないか、全身の観察も同時に行うことが大切です。
また、患者の体格や骨突出部分の有無、浮腫などの状態を踏まえたうえで、治療目的や皮膚の状態、快適性を考えながら看護計画にケアと処置方法を落とし込んでいく必要があります。
褥瘡予防を担う看護師は、24時間体制で患者の状態を確認し、適切な処置を行う職責を負っています。
もれなく適切な看護が行われるために、継続的なケアを行うための体位変換スケジュールと看護計画立案が重要になって来ます。