褥瘡は、入院患者や高齢者在宅医療の現場で、遭遇する確率が非常に高い症状です。そして、褥瘡についての看護計画をたてる際に考慮しなければならないポイントはたくさんあります。
褥瘡がおこる原因は様々です。そのいろんな要因が重なる事で発症する率やリスクも変わります。
まず、発症させないための「予防」をきちんと看護計画に盛り込み、計画的に観察を行う事が重要となります。
危険因子を確認し、点数を付けて評価を行ってレベル分けを適切に行う事から始めます。
○OHスケールで褥瘡の危険要因を評価
看護計画の立案は、対象となる患者の褥瘡レベルを正しく知り、治癒に向けて日々の看護を的確に行うために初段階でレベル判定を行います。
●褥瘡経過評価
患者の全身観察を行って、褥瘡が発症しているか否かの見極めをしなければなりません。しかし、在宅で看護をしている高齢者は特に、褥瘡がひどくなり在宅での観察では完治が難しい場合に、入院して治療を行うというケースは珍しくありません。
褥瘡がどの程度深刻な状態かを計るために用いられるのが、「褥瘡経過評価様DESIGN-R」です。
●褥瘡経過の評価内容
観察しただけではその深刻なレベル判定が難しい、というのが褥瘡の厄介な点でしょう。一見して小さな創傷だと感じても、その深さが深部に達して中で化膿している場合は、通常の外傷処置で好転させるのは難しいでしょう。
褥瘡の経過判断は
・深さ ・滲出液量 ・創傷範囲の大きさ ・炎症や感染度合い ・肉芽組織の状態
・壊死組織の存在 ・ポケットの有無
によって行います。
●看護計画の中で処置を要するのは
看護や介護を担う人が、この褥瘡経過評価の中で大きく関わるのは「発症確認」、「滲出液の処置」と「炎症や感染」、「肉芽組織の処置」「壊死組織の確認」でしょう。
褥瘡が進行して、重症化を防ぐためには、日々の定期的な観察と適切な処置が最も大きく関わってきます。乾燥した肌は傷つきやすく、ずれや摩擦、体圧の状態がうまくケアできなければ、(患者の皮膚や栄養状態にもよりますが)ほんの数時間~数日であっという間に発症してしまう可能性もあります。
●看護計画と観察が大切
一度創傷があれば、寝たきりの状態や車いすの圧迫・擦れが恒常化している環境の患者にとって、治療中の病気と併せて長い褥瘡治療の始まりとなります。
そして、傷の状態は一刻と変化しています。栄養状態と創の大きさ、創部がきれいに保たれているか、滲出液の量が増えていないかなど、都度細やかな観察が必要です。外科的処置を行った場合は特に、創部の状態を細かく観察し記録しながら、有効な処置を根気強く続けていく事が大切になります。