床ずれが起こったら何科で見てもらえばいいの?

床ずれを起こしたら、どの診療科で見てもらえばいいか分かりにくいですね。一般的にケガをして外来で訪れるならば、外科ではないかと想像できますが、皮膚疾患なので皮膚科を受診するのが良いようにも感じます。

床ずれは、発生後に全身の管理をおこなう必要性と、発生した創部分を温存保存する、進行した創の治療を行う処置、という専門的な知識を備えた診療施設で受診するのが望ましいです。

 
○床ずれをトータルケアする病院が理想
床ずれは、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生します。何科を受診するか、と考えるとなかなか結論が出ません。傷を単に治す目的なら外科的処置を要します。
しかし、傷口の進行を防ぐために、栄養状態を管理して必要な栄養素をピックアップし、全身への感染を予防するために数値経過を見守るという経過措置を、外科単体では行わない事が多いでしょう。

 
●床ずれケアの治療カテゴリー
褥瘡の治療を行う上で、創部の保存的治療・物理療法・外科的治療という三つに分類されます。受診時の創状態を確認して、どの治療カテゴリーに最も合致しているかを判断し、そのガイドラインに沿って各関係受診科が連携を取りながら、治癒を目指して処置を行います。
栄養状態や疾患の経過観察、全身的療法が必要な感染褥瘡かどうかをアセスメントして、全身管理を行う場合は、内科・神経内科・外科が中心となってケア計画を立てていきます。
創が慢性的なものか、急性の創かどうかをみて何科を訪れるか決定するという方法もあります。褥瘡が慢性的であれば、その深さや滲出液、肉芽組織、ポケットや壊死進行をしっかりと確認して、外用薬やドレッシング材を用いた保存的治療、物理療法を行うべきでしょう。この時は外科が中心となって処置や観察を行います。

 
○形成外科と連携している施設も有効
床ずれの治療を行う事に対して専門的な知識の習得をしている診療所は、全国に沢山あります。何科かを専門的に扱っている医療施設もありますが、その多くは総合病院です。
経過を見ながら必要に応じて、適切な処置を要するのが褥瘡なので、褥瘡に特化した技術やノウハウを得た施設で総合的に見て、的確なケアを受けることができる医療機関を選ぶようにしましょう。
創部は深度が皮膚組織に至ると、細胞を生成することができなくなります。傷口が元通りにならない症状では、形成外科で形成手術や処置を行う事も考慮して、受診可能な科を確認するようにしましょう。