血行促進と治療促進 塗り薬の正しい使い方

床ずれを起こした人に限らず、その治療と処置に欠かせないのが「治療薬の塗布」ですね。皮膚の炎症など、皮膚表面の治療やかゆみを軽減するために用いられるのが外用薬です。
外用薬は、含まれている薬剤によってその効き目や効能が異なります。時々の症状に合わせて効果をもたらす塗り薬を使用するようにしましょう。


〇塗り薬の基本的な塗り方
外用薬を塗布するとき、どんな塗り方をしていますか?塗り薬の効果を浸透させたいと思って、ごしごしと塗りこんでいませんか?
薬の種類や量によって、塗り薬の塗り方や塗布する方法も異なります。外用薬を処方されたら、その塗り方や量もきちんと守るようにしましょう。

 
〇キズを保護する塗り薬か治療する薬か
塗り薬を塗って傷を治療するとき、その薬成分が傷に対してどのような効果を与えるか、種類と役割がいくつか分かれているものを調合しているケースが良くあります。
市販薬や、薬局の店頭で販売されているような汎用性がある塗り薬も、傷の状態や目的に応じて、必要な成分をすでに組み合わせている調合済の外用薬です。

 
〇傷治療に用いる塗り薬の役割
塗り薬を使って治療するような、外傷性(皮膚表面からその傷が見え、その傷を治療する)の場合、最終的な目標はその傷の「治癒」です。
皮膚表面の傷ついた部分を修復するためには、皮膚組織の形成を早めてあげる処置が必要。そのために、炎症・潰瘍・切開傷の創傷面を洗浄して治癒促進に効果がある塗り薬を塗布します。
創傷部分の治療を目的とした塗り薬を用いるときは、薄く表面に伸ばすようにします。塗りこするような塗布の仕方は、傷を刺激して壊してしまうこともあるので注意しましょう。

 
〇体の血行促進を目的とした塗り薬も
塗り薬は、なにも外傷の治療を目的としたものだけではありません。最近では、筋肉や筋の痛みや炎症を抑える鎮痛薬が、塗り薬でも販売されています。抗炎症作用を含んでいる塗り薬は、痛みを感じる部分を広範囲に、すりこむようにマッサージしながら塗布するのが良いでしょう。周辺筋肉を刺激して血行を促進し、その血流にのって鎮痛成分が周辺に広がります。優しく塗りこむことで筋肉をやわらかくマッサージする効果もあり、さらに血行が良くなります。
塗り薬を用いる目的によって、その塗り方や使い方は異なります。治療治癒目的の薬か、血行を促進して痛みや疲労を軽減するものか。同じ用い方ではなく、使用目的に応じた薬を用い、正しく使うように気を付けましょう。