人は毎日活動して、体と頭を休ませるために睡眠をとります。充分に深く良質な睡眠が取れれば、次の日もはつらつと元気に過ごせますよね。
しかし、体に合わない寝具を使っていると、深い睡眠が妨げられてしまいます。また、睡眠中の無意識なあいだに無理な体勢をとり続けることで、各所に痛みを生じます。
特に、寝具があっていない人の特徴として現れるのが腰痛です。眠りを快適にし、腰痛にならないためには、どんなベッドを選べばいいのでしょうか。
○注目すべきはベッドの硬さ
快適な眠りに就くには、マットの硬さがとても重要なポイントになります。
理想の寝姿勢を考えて、自分にあった硬さを見るけることが大切です。
●やわらかいベッドや敷布団は
ふかふかの布団とマットレスで寝ていると、体が沈みこむような感触があって気持ちよさを感じるでしょう。しかし、この沈み込む感触こそ、腰痛の原因かもしれません。
人が仰向けで寝た姿勢をとったとき、最も体圧(体の重みによってベッド面にかかる圧力)が大きいのが腰の部分です。
やわらかいマットレスのベッドに体を横たえると、腰の部分が沈み込んでしまい、腰を折り曲げたような姿勢になります。
人が楽に過ごせる姿勢は、立った姿勢と同じ状態。それに近ければ近いほうが理想的なので、不自然に腰部分で体が曲がった状態では腰痛を起こしてしまいます。
●硬いベッドで寝ていると
やわらかいベッドで寝たときとは逆に、硬い面のベッドで寝ると腰が浮いたような姿勢になります。仰向けで硬い床の上に寝ると、臀部がべったりとついた状態で、腰が浮き上がる感覚になるのがわかるでしょう。
この状態で寝ていると、腰部分と臀部に隙間ができます。腰が常に浮いた状態になって、筋肉が緊張し続けます。起床してすぐに腰が固まった様に動かない、起き上がりづらい、腹筋を使って起き上がると腰がしびれたような感覚がある…。このような場合はベッドの面が硬く腰痛を起こしていると考えてよいでしょう。
○折れ腰・反り腰を解消して腰痛を防ぐ
ベッドの硬さによって反り腰や折れ腰の姿勢にならない様に、腰部分の圧力と隙間を解消するマットレスを使うと、腰痛を解消することができます。
体の圧力を徐々に伝えて理想的な姿勢を保つ「体反発マット」に一時期人気が高まりました。実は、体反発マットには、体がぴったりと沈みこんだように姿勢を保持し続けるため、寝返りを打ちづらいというウィークポイントもあります。
体の各所に掛かる圧力を分散して、寝返りを打ちやすい高反発マットのほうが、腰痛解消に向いているケースが多いです。
体重や骨格、寝た時の姿勢など、人の癖や体の特徴によって、適したベッドの硬さやマットレス選びは変わってきます。
一度実際に試してみて、立った姿勢に近い状態を実現できるベッドを選びましょう。