訪問理美容サービスの助成でヘアカット?神奈川の現状

介護施設のみならず、自宅でもヘアカットなどの施術が受けられる訪問理美容サービス。この記事では、神奈川県にスポットを当てて、訪問理美容サービスにまつわる自治体の助成について紹介します。

訪問理美容

法律では、「原則として、理容行為は理容所・美容行為は美容所で行わなくてはならない」とされています。ただし、外出が困難な高齢者や障害や病気で外出が制限される方などの特別な事情がある場合にのみ、出張理美容ができると法令で定められています。

訪問理美容サービス

資格を持った理容師・美容師が居宅や施設を訪問して施術します。使用する道具や洗髪設備などを持ち込むのが一般的です。店によって料金やサービス内容も異なりますが、近年では在宅介護の支援事業として助成を受けられる自治体も多くあります。

業界が注目する新たな市場

理容室・美容室の数はコンビニの約6倍あると言われています。個人経営の理容店は低価格のチェーン店の台頭に淘汰され、美容室は生存競争が激化しています。そこで新たな市場として訪問理美容が注目されています。

神奈川県の現状

訪問理美容サービスには介護保険が適用されません。しかし、神奈川県では複数の市や町で条例が制定され、助成が行われています。人口ランキングトップ3の各市の事業内容を簡単に紹介します。

横浜市=訪問理美容サービス事業

助成内容:訪問サービス(カットのみ)1回 2,000円の自己負担(年6回まで)

利用方法:各区役所の高齢・障害支援課に申請

対象者:65歳以上の在宅高齢者。加齢や傷病等により理容室・美容室に出向くことが困難で、次のいずれかに該当する方。原則として座位の保てる方。

(1)要介護4又は要介護5に認定された方

(2)要介護1から3に認定された方、かつ福祉保健センター長が特に必要と認めた方

川崎市=訪問理美容サービス

助成内容:理容・美容の訪問サービス。1回あたり2,000円の自己負担(年6回まで)

利用方法:要申請。利用券が発行されたら、市が紹介する理美容店に申込み

対象者:65歳以上。市内居住・在宅。要介護認定3・4・5の方。理美容院に行けない方

相模原市=出張理美容サービス

助成内容:出張料を含む料金の一部を助成(1枚3,000円助成券を発行、最大6枚交付)

利用方法:助成券交付を申請。発行されたら登録店舗に直接申し込み。1回の利用で助成券1枚のみ使用でき、施術料金と出張料から3,000円差し引いた金額を支払う。

対象者:市内在住の在宅で要介護4・5認定。65歳以上のねたきりの方など。

活躍する「福祉理美容師」

最後に新しい資格を紹介します。「福祉理美容師」は理容師・美容師の国家資格保有者を対象に、NPO法人日本理美容福祉協議会が証明する技能認定です。理美容の知識と技能に加えて、介護福祉の知識も身に付けたスペシャリストとして現場で活躍しています。

まとめ

理美容は、精神衛生面に大きな影響を与えます。健康的な在宅介護を継続するために、定期的な散髪などは有効だと言えるでしょう。理美容サービスの利用方法など、最寄りの自治体に相談することをおすすめします。