児童福祉の仕事にはどんな種類がある?

福祉の業界にはいろいろな職業があります。老人福祉、児童福祉、障害福祉とあるなかで、今回は児童福祉に焦点を当てていきます。
児童福祉にはどの様な仕事があるのか順番に見て行きましょう。

①放課後児童支援員

放課後児童支援員とは、聞きなれない名前かも知れません。この職業ができたのは、2015年の事で、「子ども・子育て支援新制度」の施行に伴って創設された新しい資格だからです。

2015年以前にも、放課後児童クラブは全国に多数存在していましたが、その呼び方は児童クラブ、学童クラブ、学童保育など様々でした。これらが2015年の新制度施行に伴い、正式名称は放課後児童クラブになりました。

新制度の施行前は、同施設で働く職員の専門資格は特に定められていませんでしたが、資格が創設されてから5年間の経過措置期間を経て、2020年からは、同施設を運営するには放課後児童支援員を配置する事が法律で義務付けられました。

共働き世帯や、ひとり親世帯において、子どもが保育園から小学校に入学する事で子どもの養育と仕事の両立が難しくなる、いわゆる”小1のかべ”問題に対応するために、全国的に放課後児童クラブは増加しているので、放課後児童支援員の需要は今後伸びていく事が予想されています。

②児童指導員

児童指導員とは、児童福祉施設に通う、又は施設で暮らす子どもの育成を支援する職業です。児童福祉施設には、親からの虐待、育児放棄(ネグレクト)などの理由で、親と離れて暮らさざるを得ない事情を持った子供たちがいます。児童福祉施設で親の代わりに生活指導を担うのが児童指導員です。

また、知的障害、発達障害などの障がいを持っていて、放課後デイサービスや児童発達支援(児発)を利用する子どもに対して、子どもたち1人1人の障害の特徴や発達の状態に合わせて、将来の社会参加に必要な支援や指導をする役目を担います。

尚、児童指導員として5年間勤務し、更に講習を受ける事で、児童発達支援管理責任者(児発管)資格を取得することが出来ます。

③児童福祉司

児童福祉司とは、児童相談所の職員となって働く仕事です。保護者などからの育児に関する相談に応じるだけでなく、場合によっては、家庭調査や社会診断を行う事もあります。

先述の障がい児施設や児童養護施設で働く児童指導員と異なり、原則、児童福祉司の職場は児童相談所になります。また、児童福祉司になる為には、地方公務員試験に合格し、児童福祉司の任用資格を取得する必要があります。

まとめ

共働き世帯の増加、ひとり親世帯の増加、児童虐待、育児放棄といった深刻な社会問題の増加から、少子化の日本にあっても児童福祉に携わる職業の重要性は増すばかりです。今回は、放課後児童支援員、児童指導員、児童福祉司の3つの職業をご紹介しました。