初任者研修の取得は役立つのか?

介護の仕事は資格がなくてもできる業務もあります。そのため、介護職員初任者研修の資格は役立つのか?と取得を悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は無資格者と初任者研修修了者の業務内容の違いや、取得のメリット・デメリットについて解説します。

資格がなくてもできる業務もある

介護に関する資格を保有していなくても、介護職員として働くことは確かに可能です。実際に「無資格可」の求人もあり、資格を持っていなくても介護職員として従事されている方もいらっしゃいます。

資格がなくてもできる理由として、資格の有無によって行える業務に違いがあるからです。また、無資格者の場合は有資格者の補助的な仕事(サポート)にあたる事が多くなります。以下に資格を必要としない業務の一例を紹介します。

〇生活援助(食事の準備や片付け・掃除・洗濯・買い物など)

〇送迎業務・事務作業(送迎車の運転・事業所の事務作業や掃除、洗濯など)

現在は無資格でも一定の条件により、訪問介護業務に従事できるという特例ができました。しかし、それはコロナ禍による人材不足を解消するための特例措置です。

初任者研修取得によるメリット

初任者研修資格を取得すると、「訪問介護」が行えるようになります。生活援助に加え、入浴や排泄の介助をする身体介護も行うことができ、業務の幅が広がります。他にも資格取得によるメリットを以下に紹介します。

〇給与が上がる

厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査結果(令和2年度)」によると、無資格者の平均給与は275,920円(平均勤続年数5.5年)となっています。対して初任者研修取得者の平均給与は301,210円(平均勤続年数7.3年)です。

夜勤のある施設など事業所の形態によっても差は出ますが、単純計算で月に25,290円・年収にすると303,480円の差が出ます。介護職の給与は、ほとんどの場合「資格手当」が付きます。

〇転職に有利

求人の応募要件として、初任者研修修了以上と設定している事業所や施設もあります。履歴書に「初任者研修」を記載することで、業務内容を理解していることや前向きな姿勢・即戦力としてアピールすることができます。

〇家族の介護に役立つ

家族や身近な人に介護が必要になった場合、資格取得によって身に付けた介護の知識を活かすことができます。

初任者研修取得のデメリット

デメリットとして、費用と時間が掛かることが挙げられます。取得までの期間は最短で1ヵ月、一般的には3~4ヵ月程度です。
費用は受講するスクールによって異なりますが、およそ4万~11万円と幅があります。取得には通学と通信があり、130時間のカリキュラム受講となります。

デメリットとして挙げましたが、費用に関しては資格取得支援制度を取り入れている事業所もあります。仕事をしながら取得を目指すこともでき、初任者研修取得でキャリアアップに繋げることも可能です。

また公的助成金制度や貸付金制度もあるため、活用すると良いでしょう。

まとめ

初任者研修を取得することで仕事の幅が広がり、給料のアップや転職に有利になるなど役立つことが多くあります。ご自身がどのように介護に携わっていきたいのかよく考えることが大切ですが、前向きにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。