介護福祉士と看護助手、その役割の違いについて

介助を必要とされる方や、身体の不自由な方へのケアをメインに行う職種として、介護福祉士や看護助手などが挙げられます。
一見同じような仕事をしているように思える両者ですが、実際には明確な違いが存在します。介護福祉士と看護助手の間にはどのような違いがあるのか、見ていきましょう。

介護福祉士とは

病気・障がい・加齢などの原因により日常生活が困難な方に対して、サポートやケアを行う介護職。その具体的な業務としては、食事・入浴・歩行・排泄などの身体介助、家事行為などに相当する生活支援、介護を必要とされる方へのメンタルケアなどが挙げられます。

その介護職従事者の中にあって、現場のリーダー的役割を担うのが、介護福祉士です。介護に関する専門的知識や実務的技術力を要する役職です。
携わる業務は、介護職員と同様の基本的ケアサポートのみに留まりません。

介護サービスを受ける本人のみならずその家族へのアドバイスや相談対応、介護スタッフを指導するマネジメントなど、他の介護職員より幅広い職務に従事することとなります。

介護福祉士は国家資格に位置付けられ、その資格を取得するには国家試験に合格しなければなりません。加えて、国家試験を受験するにはそのための資格が必要となり、それを得るには定められた条件をパスする必要があります。

介護福祉士を目指す方法としては主に2通り挙げられます。福祉系高校への就学による受験資格獲得と、一定期間の実務経験を経ることによる受験資格獲得です。

福祉系高校からのルートでは、その教育カリキュラムを修了し卒業することで受験資格が与えられます。

実務経験を積むルートでは、クリアする条件が2つあります。

まず、介護職の実務経験と見做される職務に3年以上従事し、かつ実際の業務日数が540日以上あることが第1の条件です。

これに加え、介護職員実務者研修の修了、もしくは介護職員基礎研修およびその他特定の研修の修了、その2通りのいずれかを以て第2の条件とされています。

これら2つの条件を有することにより、受験資格が認められるわけです。

これら受験資格を獲得する過程が、介護福祉士としての知識や力量を養う上で有効と見做されていると言えます。

看護助手とは

病院など医療機関において、身体の不自由な患者さんの介助やその他補助を行うのが、看護助手の役割です。
入院患者さんの食事や入浴のサポート、リネン類の交換など、介護職と類似した業務に着手することが主となります。しかし職務内容はそれのみに留まりません。

医師や看護師が医療行為に専念できるよう、そのサポートに携わることも、看護助手の役目です。カルテの管理・患者さんへの呼びかけ・検査および治療に使用する器具の用意など、医療措置を円滑に進めていくための支援を行います。

また、中央材料室にて、使用後の医療器具の洗浄・減菌処置などに着手します。院内の衛生管理を担う重要な業務と言えるでしょう。

看護助手になるには、特に必要な資格などはありません。そのため、直接的に医療措置に関与することはできないという側面もあります。

それぞれの違い

介護福祉士が中心となる介護職と、看護助手の業務について、該当施設の利用者など部外者の視点からは、同じように見えることでしょう。
しかし上記で述べてきたように、異なる部分を持つ側面もあります。

介護を必要とする方の生活支援を担うのが介護職。医療機関において、心身の不自由な方を支援し円滑な医療実施に結び付けることをメインとして働くのが看護助手。
このように区別して認識されるわけです。

なお。看護助手の職務経歴は、介護福祉士国家試験の受験資格を得る際に必要な実務経験として扱われます。実務経験ルートで介護福祉士を目指す際、看護助手の職務に従事する手段もあるというわけです。

まとめ

以上のように、介護福祉士を始めとする介護職と看護助手の業務における相違点について確認してまいりました。看護助手の経験は介護福祉士の国家資格を得る条件としての実務経験に見なされます。
看護助手への就業からスタートして介護福祉士を目指す道も存在するという点も、抑えておきたいところです。

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