福祉住環境コーディネーターとは? 介護の経験を活かしスキルアップしよう!

福祉住環境コーディネーターとは、東京商工会議所が行う公的資格の1つです。高齢者や障がい者ができること、したいことを広げるように生活環境を整えることを提案するお仕事になります。
介護の経験とともに、福祉住環境コーディネーターへとステップアップしてみませんか?

「地域包括ケアシステム」と福祉住環境コーディネーター

2025年(令和7年)を目途に、地域包括ケアシステムが進められています。地域包括ケアシステムとは、住み慣れた我が家で生活をしながら、最後まで自分らしく暮らしが地域でできるよう、包括的な支援やサービスの提供体制を構築することを目的としています。

地域包括ケアシステムとは、環境整備された自宅があるうえで成り立つといえるでしょう。

つまり、バリアフリーが整えられた病院などの施設ではなく、これからは個々の自宅環境整備の需要が高まると見込むことができます。

「介護」と福祉住環境コーディネーター

誰もが受けることができる福祉住環境コーディネーターは、単独で得るよりも社会福祉士、ケアマネージャー、理学療法士など介護現場で働く資格保持者が知識の幅を広げる、またはスキルアップを目的として受験するケースも多いのが特徴の1つです。

「在宅医療・介護連携推進事業」と福祉住環境コーディネーター

介護職が検定を受ける背景としては、在宅医療・介護連携推進事業があります。地域における介護予防のとりくみをすすめようと国が行っているもので、介護予防のため本人とかかわる場所にリハビリテーション専門職が訪問や参加することをどんどん進めていきましょう、というものです。

つまり、病院や施設で利用者を待つだけではなく積極的に外に出て一人一人との関りを深めることが求められています。その際、福祉や介護の十分な知識をもっていない利用者または家族から、バリアフリーや住宅改修についてアドバイスを求められることもあるでしょう。

このとき福祉住環境コーディネーターの2級以上の資格をもっていると、介護保険を利用した住宅改修の最初に必要とする書類(理由書)を書くことができます
これをもとに施工業者との打ち合わせや見積もりが行なわれ、市町村へ介護保険の申請をすることができます。

住宅改修を行うさいにはとても大切な書類の1つといえるでしょう。国が在宅介護を推し進めている中であるからこそ、今後活かされる資格といえます。

福祉住環境コーディネーター検定

検定試験で押さえておきたい情報をご紹介します。

◎検定日時

年に2回、指定された期間の中で希望する日時をネット申し込みで行い、インターネット環境のあるコンピュータにて受験が行われます。1級は年1回、指定された受験会場にて行われます。

◎資格内容

検定試験は1級、2級、3級の3つになります。2級3級両方の申し込みだけではなく、2級から検定を受けることもできます。1級を受ける条件としては2級の合格者のみとなります。

◎受験の条件

受験資格は、試験当日に日本国内に居住していることのみです。学歴や年齢、性別そして国籍などの制限はありません。個人・団体でも受けることができます。

◎事前講習・公式テキスト

検定試験のためのセミナーも申し込むことで受けることができます。また、東京商工会議所検定試験情報サイトで公式テキストを購入することもできます。

◎合格者への称号付与

合格者には、「東京商工会議所認定2級福祉住環境コーディネーター」や「福祉住環境コーディネーター3級」などの称号を付与され、名刺などに活用することができます。

まとめ

福祉住環境コーディネーターの資格は単独ではなく、介護の資格と合わせることでさらに活躍する資格といえます。国が地域包括ケアシステムを進めていくなかで、バリアフリーまたは住宅改修についてアドバイスを求められるケースも増えてくるでしょう。

5年後10年後を見据えたとき、さらに知識を深めステップアップしていくためにも福祉住環境コーディネーターは今後活用できる資格といえるのではないでしょうか。