ニューノーマル時代における介護士業務の在り方とは

2020年の新型コロナ流行を発端として、社会の様々な分野で従来の在り方が見直されるようになりました。
このようなニューノーマル時代を迎え介護士を取り巻く現場の在り方についても活発に意見が交わされています。どのような検討や模索がなされているのか、見ていきたいと思います。

ニューノーマル時代とは

まずニューノーマルの意味について確認するところから始めましょう。 語彙としては、社会に多大な影響を及ぼす事態の発生を引き金として新しい常識や認識が定着し、社会全体が変化することを指します。

ニューノーマル時代の特徴としては、これまで行われていた既存のシステムが通用しなくなる反面、新しく構築されたシステムが急速に拡大することが挙げられます。
そのような事態がビジネスを含むあらゆる社会的分野において生じるわけです。 2019年末に中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスも、ニューノーマル時代の要因となりました。

新型コロナウイルス感染防止が重要視され、それに基づき社会のありとあらゆる方面に変化が現れたわけです。
感染リスク上昇を阻止するため、「人の密集を避ける」「他者との密接を避ける」「換気の悪い密閉空間を避ける」という3密の意識が社会的常識と見なされるようになりました。

加えて、不要不急の外出自粛・マスクの着用・入念な手洗いなど、感染予防対策を個人レベルで求める社会傾向も現れました。
それらの影響から、働き方においてはテレワークの推奨、子供たちの就学においては休校措置と平行した自宅学習など、社会生活も大きく様変わりすることになったわけです。

介護分野においても、コロナ禍から利用者さんや介護従事者を守るため、ニューノーマル時代に即した変化が求められている状況にあります。

ニューノーマル時代の介護現場の在り方

介護分野のニューノーマル移行について、どのような在り方が適切なのでしょうか。 それについては政府を始め、様々な識者が意見を表しています。
それらを鑑みると、おおむね重視すべき点として「感染リスクの低下」「人手不足への対応」の2点が示されているようです。

そして、これらをクリアする方向性としては、介護において対面以外でもできる手段を可能な限り活用すること、業務生産性の向上を図ることなどが挙げられています。
そして、方向性の具体策として有効と見なされているのは、ICTすなわち情報通信技術の活用です。 ICTとは、従来のITすなわち情報技術と比較して、よりコミュニケーションを重視したシステムを意味します。

デジタル機器を用いて行う双方向の情報のやり取りについて、扱う情報の幅をより広くし、より質の高いコミュニケーションを可能とする技術というわけです。
介護現場で用いられる代表的なICTの例として挙げられるのは、高齢者見守りシステムでしょう。これは、インターネットを介して離れた場所にいる高齢者の様子を確認できる仕組みを指します。

本人との直接的なやり取り以外にも、身の回りの家電にセンサーなど通信機能を持たせたIoT技術により、常時安否確認を取ることができるわけです。
そのようなシステムを利用することにより、介護従事者は接触による感染リスクを軽減しつつ利用者の見守りが可能となります。
加えて適切な処置を施すべき機会を見極められ、業務の効率化にも繋げることができるわけです。

まとめ

以上のように、新型コロナによってもたらされたニューノーマル時代における介護現場の在り方として、ICTの活用が有効であることを調べました。
新型コロナの脅威が収束した後も、感染症流行時に効果が期待できる介護モデルになるものと思われます。