仕事と在宅介護の両立に活かせるテレワークの在り方

職場に出勤することなく、自宅に居ながらにして業務を行うことを可能にするテレワーク。ご家族に介護を必要とする方がおられる場合、テレワークの活用により、仕事と在宅介護の両立を図ることができるでしょう。
そのための条件としてどのようなことが挙げられるのか、見ていきましょう。

テレワークとは

インターネットやITツールを利用した、時間と場所にとらわれない働き方。それがテレワークです。これにより、会社やオフィスなど特定の場所に出向くことなく業務に携わることが可能となります。 テレワークで働くことのメリットとしては、ワーク・ライフ・バランス、すなわち仕事と生活の調和を確立しやすいという点が挙げられるでしょう。

たとえば、職場に出勤して働く場合、出勤および帰宅に伴う時間および交通費を要することになります。しかしテレワークによる自宅勤務の場合、出勤帰宅による時間と費用のコストを省くことが可能です。
浮いた時間や費用を、他の事柄に有効活用できることになります。 これ以外にも、ワーク・ライフ・バランスの実現により、仕事における様々な面で効率化を図ることができ、そのぶん、より充実した働き方や日常生活の獲得へと繋げていくことができるでしょう。

在宅介護におけるテレワークの利点

前述のような、テレワークから見出されるワーク・ライフ・バランスのメリットを、在宅介護に活かすのも有効な手と言えるでしょう。
介護を必要とされる方と同居している場合では、自宅勤務によって、見守りを兼ねながら業務に着手することが可能となります。
たとえば、介護対象者が何かしらの介助を要する時、直ちにその対応に当たれるわけです。 また、住所を異とする親族に介護を必要とされる方がおられる場合でも、テレワークによる通勤帰宅の削減で空いた時間を、遠距離介護という形で活かすこともできます。

テレワーク活用による在宅介護で必要なこと

テレワークによる仕事と介護の両立を図る際には、踏まえておくべき条件が挙げられるでしょう。 まず重視すべき点は、介護負担を1人で抱え込まないということです。
テレワークにより、介護対象者を見守りながら仕事をするとしても、常に介助対応できるというわけではありません。業務状況によっては手を外せない場合も生じます。

たとえばネットを介して、重要な社内会議や取引先との折衝などに当たっている最中、介助対応のために一方的にやり取りを中断するのは不可能に近いと言えるでしょう。
また、仕事と介護の双方同時に気を回しているため、業務に集中できず、生産性が落ち込んでしまうという事態も有り得るでしょう。

これらのような状況に対しては、共に介護負担を分担する協力者の存在が、打開策として非常に有効です。どうしても仕事で手が離せない時や、集中して作業をこなさなければならない時などでも、自分以外の誰かが介助に当たることで、充分に対応していけるでしょう。
このような観点から、在宅介護において、自分以外の同居家族、もしくは地域の介護サービス従事者の協力が不可欠と言えるわけです。

まとめ

以上の内容をまとめると、以下の通りとなります。

◆在宅介護を行っている場合、インターネットおよびITツールを活用したテレワークによる在宅勤務に移行することで、それまで以上に介護に充てる時間を確保できる。

◆テレワークといえども、仕事の状況によっては手が離せない局面もある。その際の対応を含めて、介護負担を1人で抱え込まず、他者に協力を求められる環境作りが必要。