認知症介護実践者研修とは

高齢化が進む社会において、お年寄りの方の中には認知症を患っている方もいることでしょう。しかし、本人にはその認識がなく家族の方も介護で苦戦しているというのが実情です。

介護職に携わる中で、認知症のケアにおいて担当者はどの研修を受けるのでしょうか。今回は認知症介護実践者が受ける研修についてお話ししましょう。

認知症介護実践者研修の意味

認知症と認められた高齢者の方々において、専門の介護職員を養成することを目的とした研修で、その内容は知識と技術の習得とされています。

高品質の介護を行うことにより、認知症の支援だけでなく介護の技術アップを図ることができるからです。

認知症介護実践者研修は、認知症と向き合っている介護職の方からすれば取得しておきたい資格の一つであり、後進指導にも役立ちます。

また、認知症介護職の指導者を志す人たちにとって第一段階であり、この研修を修了したら次の目的である認知症実践リーダー研修へと進み、最終的には認知症介護指導者研修を習得することにより、さらなるスキルアップができるということです。

認知症介護という場において、ステップアップをして成長するという意味では最初の関門といえるでしょう。

認知症介護実践者研修のメリット

認知症関連の施設では認知症介護実践者研修修了者、計画作成担当者がいなければ施設の運用をしてはならないという決まりです。

施設の運営を行う上で欠かせない資格の一つであり、ステップアップにも寄与できるため現場以外での講演会や研修講師としての仕事が入ることもあり、認知症の現場としての声を大勢の人たちに知らせることができるのです。

認知症介護実践者研修の内容

それでは、研修の内容について説明しておきましょう。実際は各都道府県から指定(委託)された専門学校などの機関で実施していますが、受講条件やカリキュラム内容が若干異なります。

期間やスケジュール、申し込み方法などについては各自治体により異なるため、住んでいる都道府県のサイトをチェックしておきたいものです。

気になる費用についてですが、前述の都道府県などにより異なる場合がありますが、平均的な金額を申し上げると、30000円前後かかるということです。

また、教科書代などといった各種費用も別途請求されることがあるため、この点についても確認しておきたいところです。

カリキュラム期間

実際の研修期間は2~3か月程度で、基本的な理解が870分、具体的支援方法と展開が1020分かかりますが、実習については施設における課題を設定するだけで240分、トータルが2130分です。

別途アセスメントケア実践は、約1ヶ月間(1日約7時間×勤務日数)と実習評価180分追加を以てカリキュラムに必要な時間となります。

講義や演習は約1週間かかりますが、実際は約1ヶ月に2~3回程度で行われます。施設実習が2~4週間程度かかることから研修期間については約2~3か月を見込んでいます。

また、受講をする際には実務経験2年以上が必須となるため、その間はすでに研修を修了している方の元で下積みすることになります。

まとめ

認知症として医師から認められた高齢者の方々が、安心して介護を受けることができるのに欠かせない存在が認知症介護実践者で、そのための研修についてまとめましたが、研修として学んだことを活かしながらもキャリアアップができる資格の一つして、第一線で働くことができるというのが利点です。