実務者研修教員講習会ってどんなもの?

2016年4月より実務者研修教員講習が設けられました。これは、介護福祉士のキャリアパス制度が変更となったため、旧ヘルパー1級が実務者研修に変わり、その研修を担当する教員を養成するための制度です。今回は、実務者研修教員講習会の内容や要件、資格取得方法について説明しましょう

実務者研修教員になるための要件とは?

専任教員になるためには、いくつかの要件と実務者研修教員講習会を修了していることが条件となります。下記で紹介していきましょう。
①実務経験5年以上の介護福祉士
②養成施設や福祉高校や一般高校での教務歴が3年以上
③福祉高校(特例高校)で実務者研修の教務歴が5年以上
④医療的ケア(痰吸引、胃ろうの管理)実務経験が5年以上の看護師で医療的ケア教員講習会を修了していること。

実務者研修教員講習会受講のカリキュラムとは?

実務者研修のカリキュラムの内容は、次の通りです。
【1.介護教育法】・・・<30時間>介護について教育方法の基礎的な理論を理解し、介護福祉教育の具体的な教育法や指導する学習内容について理解を深める。

【2.介護過程の展開方法】・・・<15時間>実践的な介護のためのアセスメントや計画立案、計画に沿った実施や評価をして演習から具体的な実践介護の展開法を学ぶ。

【3.実践者研修の目的】・・・<5時間>介護の実践者の目的、研修の構成、評価の在り方を理解し、実践者研修の教育の方法を学ぶ。

知っているとお得!ハローワークから助成金がもらえる?

介護の資格を取得する際に活用できる、ハローワークの一般教育助成金制度があります。 例えば、介護職員初任者研修や実務者研修・福祉用具専門相談員などですが、実務者研修教員講習会受講にかかった費用の20%で上限10万円、下限は4000円以上です。

現場での知識や技術をいかせるメリット

介護の仕事は年齢に関係なく働くことができますが、利用者の移乗・移動・体位変換などの介助は力仕事となり、年齢を重ねると厳しいものになってくる方もいることでしょう。
その様な理由で介護の仕事から離れていくことは、とても残念なことだと思います。 せっかく介護の現場で介護福祉士の資格を持ちながら、長年蓄えてきた知識や経験を実務者研修教員講習を受講して、新人介護福祉士を目指す人のために力を注いではいかがでしょうか。

まとめ

「実務者研修教員講習会」は、「実務者研修」の指導者を養成する厚生労働省指定講習会です。 2025年問題で高齢者が増えるなか、年々、介護職の需要も高まっています。
介護業界は、人手不足が深刻です。なかでも、介護福祉士の資格保有者がさまざまな理由から離職し、潜在介護福祉士として介護職についていない方も多くいるのが現状です。

5年以上の実務経験を持っている介護福祉士でしたら、介護現場以外の実務者研修教員という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。