言語聴覚士の実習のメリット

これから言語聴覚士を目指している学生さんにとって、養成校や大学で学ぶなかで「医療機関・教育機関・福祉施設」などでおこなう実習は、とても気になるところですよね。
今回は、言語聴覚士の臨床実習について考察してみましょう。

言語聴覚士とは?

言語聴覚士はリハビリ職の中では、誕生してまだ20年という新しい国家資格となります。幼児や小児については生れつき言語に障がいを持った子供を対象に、高齢者では食事に関して摂食機能や嚥下機能障がいなど、また事故や病気・脳血管障害で言語機能に問題を抱えた人に対して、機能維持や改善を目的としたリハビリを専門におこないます。

臨床実習の目的

言語聴覚士が臨床実習をおこなう目的は、より専門的な知識や技術を「医療機関・教育機関・福祉施設」において習得するために、養成校での教科書では学べないことを実際のカリキュラムを通して、臨床実習をおこなうことを目的とします。

実習の流れ

【臨床実習Ⅰ】
最初におこなわれる臨床実習では、実際の現場で実際の臨床症例に触れ、言語聴覚士やその他の関連職種の仕事の様子を見学して、言語聴覚士としての基本的な姿勢や心構えなどを学びます。

【臨床実習Ⅱ】
臨床実習Ⅱは評価実習となります。実際のリハビリ対象者に対して、言語聴覚療法評価や検査、検査結果の分析をおこない対象者に対して指導・リハビリのプログラムの立案を作成します。

【臨床実習Ⅲ】
臨床実習Ⅲは総合実習となります。リハビリ対象者に対して、評価・検査・結果分析・リハビリプランの立案・実施・症例を通してのレポート作成をおこないます。
また、言語聴覚士としての基本的姿勢や役割をよく理解して、他職種との連携しながら実践的な能力を身に付けていきます。

臨床実習のメリット

・臨床実習は大学や養成校では学べない実践的なことを、実際の患者さんと向き合うことで知識や技術をより理解することができます。

・患者さんとコミュニケーションをとることで、さまざまな障害を理解でき評価・実践する力がついてきます。

・実習先の医療機関や福祉施設の雰囲気や職員との情報交換を通して、大学や養成校を卒業した後の就活につながります。

・臨床実習をすることにより、言語聴覚士としての専門性・意識の向上などのモチベーションにつながります。

まとめ

言語聴覚士の臨床実習は、医療機関や福祉施設・教育機関などでおこないますが、大学や養成校を卒業して就職した際、学校だけでは学べない、さまざまな経験をする機会でもあります。
臨床実習を通して得た知識と技術を就職先で活かせるようにすることが、実習の目的であり、また将来どのような言語聴覚士の分野を目指していくのかを考えていくための重要な臨床実習となることでしょう。