実務経験を積んで介護福祉士になるルートとは?

平成12年に介護保険制度が施行されて19年目を迎えました。それまでに介護福祉士の資格取得方法もいろいろ変わってきました。今回は介護の現場で経験を積んだ介護士が、介護福祉士になるための実務経験ルートについて解説していきましょう。

■実務経験ルートとは?

2016年までは実務経験3年以上を満たしていれば受験資格が得られたのですが、2017年度より介護福祉士の国家資格の受験要件が変わり、3年以上の実務経験に加えて実務者研修の受講が義務づけられました。

◎初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
介護現場で働きながら介護福祉士の国家資格の取得を目指すのであれば、まずは介護職員初任者研修を取得することをお勧めします。訪問介護の身体介助をする際に必要な資格です。

・受講科目は、11科目で受講時間320時間
・受講日数の目安は約3ヵ月

介護福祉士取得のスタート(基礎)の資格ともいえるでしょう。ほかにも、実務者研修を受講する際、共通科目の9科目(130時間)の免除があります。

◎実務者研修(旧ホームヘルパー1級)
3年以上の実務経験があり、未経験からすぐに介護福祉士の受験要件を得たい場合

・実務者研修のカリキュラム20科目(450時間)を受講することで可能となります。
・受講期間は約6ヵ月ほどです。

しかし初任者研修を受講後でしたら上記でも説明した免除があり、450時間中130時間が免除され320時間に受講時間が短縮されますので、どちらを選択するかはよく考えて受講するとよいでしょう。

■介護職員実務者研修・修了のメリット

◎サービス提供責任者になるために必要?
サービス提供責任者は訪問介護ステーションに配置が義務づけられていて、介護支援専門員(ケアマネジャー)の作成したケアプランに沿って、利用者や家族へ内容についての説明をして同意を得たり、訪問介護士などと連絡調整を行う業務です。

サービス提供責任者になるためには、実務者研修か介護福祉士、どちらかの資格を持っていることが望まれます。

◎喀痰吸引・胃ろう管理
実務者研修と同時に医療ケア科目(50時間)を受講することで客淡吸引・胃ろう管理の医療行為をすることが可能になります。

■実務者研修を受講するなら助成金を活用しよう

受講費など何かとお金がかかるものです。そこで、各都道府県の福祉人材センター窓口の貸付金についてご紹介しましょう。

◎介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度
3年以上の実務経験があり実務者研修を受講する際、受講費用などに利用できる制度です。
最大20万円借りることができ、介護福祉士の資格を取得した後に2年間介護の業務に従事すれば貸付金の返還が全額免除になる制度です。これから介護福祉士を目指す方は利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

■まとめ

介護の業務をしながら3年以上の実務経験があり基礎から学ぶ初任者研修からのスタートと、すぐに実務者研修を受講する2通りありますが、どれも知識や技術を蓄える意味では変わりはないでしょう。あなたにあった資格取得方法をご検討ください。