寝たきりで起きやすい血栓症

長期に寝たきり状態が続いたり、日頃から一日の大半をベッドで寝て過ごしている高齢者の場合、褥瘡(床ずれ)のリスク以外にも、いろいろな弊害が起こってきます。今回は、その中でも体を動かすことが少ないことで起きる血栓症について解説していきましょう。

■血栓症とは?

「エコノミークラス症候群」または「ロングフライト症候群」とも呼ばれていて、正式には「急性肺血栓塞栓症」と言います。飛行機に長時間座り続けることで足の静脈に血栓(血の塊)ができることがあります。

その血栓が血流に乗って肺まで流れることで血管が詰まり、胸の痛みが出て呼吸困難を起こすことを肺塞栓、心臓に血栓がいくと心筋梗塞、脳に血栓がいくと脳梗塞になり、最悪の場合、死に至ることもあります。

それは、飛行機に乗らなくても起こりえることです。例えば寝たきり状態で寝返りや体を動かすことが困難な人の場合、体位交換や体を動かす、特に足の運動やリハビリなどを行わないでいると、エコノミークラス症候群と同じ状態となることがあります。

■ベッド上でもできる血栓症の予防法

足は第二の心臓と呼ばれていますが血栓症を予防するには、まず足の血流を良くするために足の運動や、定期的に足のふくらはぎ部分をマッサージすることが効果的です。また、以下のような運動を定期的に行うことで血栓症予防に繋がります。

◎足首の曲げ伸ばし
◎足の上げ下げ
◎膝の曲げ伸ばし
◎膝の抱え込み
◎足の開脚
◎尻上げ

等です。注意することは、がんばりすぎないように無理のない運動で痛みが出ない程度にすることが毎日行うためのコツと言えます。

尚、寝たきり状態で自力で足を動かすのができない場合は、医師や理学療法士などから指導を受けてから行いましょう。

■血栓症の疑いがある時の注意すべきこと

血栓症は初期の段階で軽い場合は、片側の足のむくみや痛みがあります。このような症状はすぐに出ることもあれば、時間が経過してから症状が出てくる場合もありますので、日頃から良く足(下肢)の観察が大事となってきます。

もしも、血栓症の疑いがあると思ったら医療機関へいき医師に診察を受けましょう、症状の早期発見が重要となってきます。血栓症の疑いがある場合はマッサージや運動または、起き上がりや立ち上がりなどの動作が原因で、血栓を肺や心臓などに流してしまう恐れがありますので安静を心がけて注意することが必要です。

■まとめ

いかがでしたか、寝たきりになり、体を動かすことが少なくなることで褥瘡(床ずれ)になるリスクが高まります。今回、解説しました血栓症という命に関わる恐れのある症状も、発症する可能性があることを良く理解して、日々の介護で褥瘡・血栓症を予防することに務めることが重要です。

褥瘡ケアには効率的な予防・改善を期待できる、Relafeelの併用も検討することをお勧めします。