摩擦でも発生する褥瘡

縟瘡はいったいどのような状況から発生するのでしょう。一番多く褥瘡が発生しやすいのは、皮膚への圧迫とされています。次に圧迫以外で褥瘡になるのが多い原因とされるのが、摩擦(ずれ)とされています。そこで今回は摩擦(ずれ)から褥瘡が発生するのは、どんな状況なのか、またその対処法と一緒に考察していきたいと思います。

■褥瘡発生原因

縟瘡が発生するのは2つ考えられます。1つは圧力、もう1つは摩擦(ずれ)です。どのような状況で摩擦(ずれ)が生じるかというと、皮膚とマットレスやクッションなどの間に生じるのです。

摩擦(ずれ)は皮下組織ではゆがみになります。頭側挙上(仰臥位のときのベッドの上半身部分を挙上すること。ファウラー位、セミファウラー位は同じ意味。)の際などに著しくみられるものです。

むずかしくなるかもしれませんが、重力は下方にかかり、重力と釣り合う力が上方に向かい、その力がベッドの垂直方向に動き、圧力になりベッドに平行方向に動き摩擦力になります。

この水平方向に動く摩擦力を別名、せん断力と呼び、せん断力により水平方向の組織にゆがみが生じそれが摩擦(ずれ)というわけです。

皮膚に対して、皮下組織、筋肉、骨は、下方向に力が加わり皮膚の表面は上方向に摩擦力が加わるため、組織に2つの力がくわわり、せん断力になります。

このため毛細血管網が引き延ばされ、薄く変形血管が縮小、虚血で生じ褥瘡が発生するというわけです。

■摩擦(ずれ)が起こりやすい位置

答えは簡単です、摩擦(ずれ)が発生するのは、基本的に体を動かしてしまえばそこに、摩擦は必ず発生しますし、それは避けられない現象であるといえますし、このため特に多いのが、お尻と踵になります。

ベッドに移乗する時や、ベッドからの起き上がり車や車いすなど、なにかしらの移乗により必ず摩擦が発生するのです。

摩擦(ずれ)をなくす具体策は、ベッドなら隙間をなくしたり、踵ならクッションを入れたりして摩擦が発生するのを軽減します。

■対処法

摩擦は本来なら動いているのであれば、必ず発生します。自身や介護する方が、移乗する時や体圧分散するときなど、定期的に体の状態を観察しなければいけません。そこは通常の褥瘡に対する配慮と同様と考えていいでしょう。摩擦からくる褥瘡だからといって、その基本的な配慮が変わるわけではありませんし、褥瘡となった場合のその処置に関しても同様に対応していきましょう。

■まとめ

圧迫や摩擦は、どんな動作でも発生しています。クッションや体圧分散で圧を取り除き、早目の段階で、傷などを見つけたらすばやく病院を受診し、主治医の判断を仰ぎましょう。

褥瘡ケアには効率的な予防・改善を期待できる、Relafeelの併用も検討することをお勧めします。