ソーシャルグループワークと初任者研修の繋がり

ソーシャル・グループ・ワークとは、社会福祉援助技術の一つで、対象者グループをつくり、集団内での人間関係調整や集団活動などを通して、対象者の社会生活能力回復・改善、強化を図り、問題解決を図る方法です。介護における介護職員初任者研修でも取り入れられています。

■グループワークのテーマ

職場で感じるストレス、職場の人間関係、に起因する悩み、不安、課題、それらの改善に向けた工夫や取り組み、成果、そして介護に対する思いなど、異なる場所で頑張っている者同士が、お互いの考えに触れ、ストレスの軽減と意欲の向上を図る、情報交換会の目的になります。

日頃、私たちは意外に人の話を聞くことが出来ていません。相手が話している時、別のことを考えていたり、話の途中に割って入り自分の意見を話していることがよくあります。このグループワークでは「話を聞く人が主役」です。聞く側の対応次第で、話す側は安心して自分の意見を言えます。グループワークに取り組むと情報交換がしやすくなります。

それではどのように介護職員初任者研修でのグループワークが行われているのかみていきましょう。

■グループワーク作業に含まれているケアプランの作成

ケアプランとは介護サービス利用計画のことです。

①ニーズ(生活全般の解決すべき課題)
②長・短期目標(ケアプランの目標)
③サービス内容

これらの内容を盛り込んだ利用計画書を作成することになります。

■グループワークに取り組むステップ

♢ステップ1
グループのプログラムに参加

♢ステップ2
メンバー間相互の影響

♢ステップ3
個人が成長・発達する援助の過程

■グループワークの進め方

まず、グループワークに入る前にお互いの緊張をほぐして、情報交換がしやすい雰囲気をつくりましょう。自己紹介から始まり夢や目標、趣味、特技など事前にアピールしておくことで仲間との始まりがスタートします。聞く側は、話す側が話しやすいように、笑顔でうなずき、共感を意識しましょう。相手の話は笑顔で聞き、否定、批判をしたりしてはいけません。

■テーマに沿った話し合い

グループワークを進めていくうえで、参加者全員は共通の問題を認識し対応していくため、話し合いのテーマを設定しなけばいけません。以下に簡単な例と流れを記載します。

◎本日のテーマ
◎ケアプランを立ててみましょう。
◎プログラムの確認
◎テーマ時間、作業内容

尚作業に関わることは全員で確認することが大事です。

■グループワークにおけるファシリテーターってなに?

グループワークの進行役のことを言います。グループワーク参加者から意見を引き出し全員に共通認識としての問題点を提示し、解決策を模索していく重要なかじ取りを担います。

■グループワークで大事なこと

基本的にグループワークに参加している全員が共通の課題に取り組むのですから、仲間を知り、自分を知ってもらうことが大切であるといえます。以下のポイントを意識してワークを進めていきましょう。

◎顔の見える関係 ~ネットワークづくり~
◎日常業務の負担軽減 ~相談役を見つけましょう~
◎多職種が連携する上での課題 ~疑問・質問を声にしてみましょう~
◎ムダ話 ~必要な情報を判断するのは相手~

■メモ用紙に記入すること

ケアプランをする上で必要なケアを考え、どんどん出していきましょう。その時に大切になってくるグループワークでのポイントを以下に記載します。

◎1枚のメモにひとつのケアを記入して下さい。
◎メモしたことを発言します。
◎同じ考えがあったらメモを出し、まとめていきます。
◎考えが出尽くすまで続けます。
◎聞きだした内容をメンバー全員で眺めます。
◎他にはないか?ホントにそれだけか?
◎全員で考えます・発言します
◎新しい考えはその都度メモにしていきます。
(ファシリテーターは全員が発言出来るように促します。)
◎ケアをする人は誰か?
◎ケアを提供できる事業所はどこか?
◎メンバーの共通認識を確認、少数意見も記入します。

グループワークを通じて、自分と違う意見を受け入れる姿勢、自分の考えを伝える姿勢。ここまで来たらグループワークは成功です。介護職員初任者研修グループワークでは初対面で未経験者の方も多くいらっしゃいます。そのきっかけで傾聴してもらうことはとても大切です。

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