おさえておきたい褥瘡の前兆

褥瘡(じょくそう)という言葉を聞いたことがある方は、経験したことがある人か、身近になった人がいる場合がほとんどではないでしょうか。一般の人(経験したことがない人)は聞きなれない言葉のため、どういった病気であるのかよく分からないと考えられますので、褥瘡とは何か、また褥瘡に前兆があるのか一緒に見ていきましょう。

■褥瘡とは何か、前兆ってある?

褥瘡というのは、例えば寝たきりの状態が長時間続いて、身体の一部が圧迫され続けることで細胞が懐死してしまう(血液、栄養が通わなくなる)症状になります。

とくに、痩せてくると骨に圧迫が受けやすくなりますので、お尻等にできることが多く、また、ベッドから移動させるときにスレて褥瘡ができてしまうことがあることから「床ずれ」といわれることもあります。

また、褥瘡の前兆として上げられるのは、圧迫された部分の皮膚にアカミがでてくる症状で、その後、水疱(すいほう)や紫斑(しはん)がでてきます。もし、皮膚のアカミが褥瘡か分からなければ、赤い部分を3秒ほど押してみてください。押しても赤いままで白くならなければ、初期の褥瘡の可能性があるということになります。

このように、アカミが出てとれないときが褥瘡の始めですので、皮膚がスレたり圧迫しないようにクッション等を使い除圧をすることが大切です。もし、除圧をしてもアカミが取れないときにはすぐに専門医や看護師に相談しましょう。

■継続してチェックしよう

上記のように皮膚にアカミが出来てしまった際には、早めに治療することが大切ですので褥瘡ができやすい部分(お尻・踵)を把握しておき、チェックすることを継続しておこなうことが必要になります。

もしも、自分1人で確認することが難しいときは、担当の看護師やヘルパーさんに見てもらうのが良いでしょう。また、症状別の治療対応としては下記になります。

・皮膚にアカミがある場合
温かいタオルで血行をよくし、乾燥させます。このとき長時間湿らせず、こすらないようにしましょう。また、ゆっくりと螺旋を描くようにマッサージすると良い場合もありますが、逆効果になることもありますので注意しましょう。

・水泡がある場合
水泡は破れてしまうと感染する恐れがありますので、圧迫などしないように注意し清潔にすることが大切です。

・潰瘍(かいよう)がある場合
触ってしまうと悪化することがありますので、早めに専門の医者や看護師に相談し治療(ケア)をすることが必要になります。

■褥瘡のサインを見逃さず、対策をしよう

いかがでしたでしょうか?このように、褥瘡の前兆は皮膚にアカミが出たときがサインとなります。悪化を防ぐためにも、褥瘡の前兆サインを見逃さないよう些細な変化も気にすることが大切になるのではないでしょうか。