介護福祉士に求められる技術とは?

介護の現場で介護福祉士に求められている技術とは何かについて考えてみたいと思います。

■介護福祉士に求められる資質

1987年の「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定されて誕生した「名称独占」の資格です。介護福祉士は、介護に関する専門職で主に介護が必要な高齢者施設や障害者施設での仕事となります。仕事の内容ですが例えば、衣服の着脱介助、排泄介助、入浴介助、食事介助、移動,移乗介助、清潔保持といった身辺介助などです。他にも必要な能力として、健康管理といった観察力や多職種間との連携といった調整能力、利用者本人や家族からの相談対応といったコミュニケーション技術などがあげられます。また、介護者に対する介護技術の指導を行うことも重要な仕事です。

■一部の医療行為もできるようになった

2012年度からは、医師や看護師立ち会いのもと一定時間の研修実技を受講することにより「淡吸引」「胃ろう管理,腸ろう管理」を実施することが認められるようになりました。
講習は、50時間終了後、筆記試験に合格しないと実地試験に進むことができません。これにより介護福祉士の仕事の範囲も増々広がってきました。

■介護福祉士の目指すもの

介護保険の目的は、高齢者の「尊厳を保持」「自立を支援すること」を目的として2000年より施行されました。よって介護福祉士の技術で一番大切なのは、介護を受ける側がその残っている機能や能力を見極めて「自立を支援すること」だと思います。なんでも介助してしまうとその人の自主性や自立性を妨げてしまうことにつながります。

■介護の基本動作を知る

基本動作を覚えると介護される方や介護者にとっても不快感や負担の少ない移乗介助
や移動介助を行うことができます。

■ボディメカニクスを利用しよう

ベッドや車いすからの移乗する際は、力任せに起こしたり持ち上げたりする介護は、腰痛の原因にもなります。ボディメカニクスとは、力学的原理です。たとえて言うならば、テコの原理をイメージすると分かりやすいと思います。上半身だけを使うのでなく下半身も含めて全身を使うことです。そうすることにより安全で安心感を与えた介助が可能となるでしょう。

■安全第一の介護を心がけよう

介護技術は何といっても安全な介護でないといけないと思います。人間がすることですからどんなに気をつけても事故が起きてしまうこともあります。日頃から介助していてヒヤリしたことを皆で共有して対策を考え事故のない安全な介助ができるようにしたいものです。それが究極の介護技術につながるのではないでしょうか。