認定作業療法士になるために必要なこと

作業療法士は国家資格ですが、資格取得後も作業療法士としてのスキルアップを図るため、日本作業療法士協会では「認定作業療法士」、「専門作業療法士」、「新人教育プログラム」等のスキルアッププログラムを設定し、一定の条件を満たしたうえで資格申請をすることができます。
ここではその中でも「認定作業療法士」の資格取得方法についてみていきましょう。

■作業療法士から認定作業療法士へ

認定作業療法士には、経験や臨床実践・教育・研究・管理運営の各種能力が要求されます。そのため、作業療法士となってから約5年間は認定作業療法士になるための修業期間のようなものだと認識することが大事です。

①申請資格
日々の業務のほか、日本作業療法士協会などが主催する学会や研修に出席し、基礎ポイントを集めなければなりません。学会や研修など1回出席する事により1ポイントが加算され、このポイントを50以上ためると第一段階はクリアです。但し、実務経験は約5年以上のキャリアを要求されますので、日々の業務はその知識を得たりすることが出来ます。

その他、各都道府県の作業療法士協会にも所属する事になります。協会所属により、生涯学習プログラムにおける基礎研修及び現修者研修を修了させなければなりません。
以上の条件を満たす事により、申請の流れへ進めることが出来ます。

②申請の流れ
最初は現職者共通研修(10講座)を修了し、その後は選択研修を受けることになります。研修は4講座ありますが、そのうち2講座を各自で選択していただき、それを修了しなければなりません。

その後は認定作業療法士共通研修(10講座)を修了し、選択研修を受けることになります。こちらも現職者選択研修同様4講座ありますが、そのうち2講座を各自選択する事になります。

最後は協会への事後報告対応です。こちらはウェブ報告と指定された学会発表と論文発表の計3件を修了することになります。これらの研修を経て、認定作業療法士の申請は完了となります。

■申請後にやるべきこと

認定作業療法士の申請をした後は、試験が控えています。試験の流れと終了後にやらなければならない事についての説明をします。

①試験
認定作業療法士の試験は次のような内容となっています。
・40問4択の筆記試験
・一般問題=教育・研究・管理運営のジャンルから合計30問を出題。
・状況設定試験
・作業療法実践能力試験

②試験終了後
成績が全体の約60%以上があれば合格となります。その後は理事会での承認を得て、認定証の再交付と台帳に氏名が記載されます。

■まとめ

認定作業療法士になるために必要なことをまとめましたが、実際の業務以外にも学会・研修の参加などやるべきことが多く、資格を維持していくための努力も求められます。それだけやりがいのある資格といえるのではないでしょうか。