全身の血行促進を促すために 効果的な体操を

体の健康維持に欠かせないのが、バランスの良い食事と適度な運動。
しかし、日常生活の中では、おいしい食べ物を求めてつい栄養バランスが崩れてしまったり、嗜好品を多く取り過ぎてしまったり。
運動も毎日続けて取り組むのがベストだと、わかっているけど続かない…というのが悩みどころでしょう。
ただ、運動は一日のほんの数分、ちょっとした時間の隙間に続けるだけでも十分なのです。
頑張って無理をしながら数時間の運動をすると、逆に筋肉や関節に負担をかけることになります。


〇ちょっとずつを継続 血行促進に効くストレッチ体操
「体を動かす」と考えると、やる気をふり絞り、気分を上げなければ、すぐに辞めたくなってしまうもの。そこで、手軽に始められるストレッチ体操から始めてみましょう。
ストレッチは、体をスムーズに動かす準備運動のように捉えられがちですが、筋肉をほぐし、関節をやわらかくして、全身の血行を促進して体温を上げるという面で、欠かすことができない大切な体操なのです。

 
●スローな動きで効率よく 健康を保つ体操
効率よく体を動かすための体操には、一定の決まりがあります。
まず、急激に体を動かさないこと。
やみくもに動かすと、血行を良くするどころか、逆に体を痛めつけることになりかねません。
じっくり、じんわりと体が伸びていく感覚があれば十分です。
普段はなかなか動かさないような場所を重点的に、呼吸を意識してストレッチ運動しましょう。

 
●血行促進に効果が高い部位は
全身の血行をつかさどるのは心臓(臓器)。
しかし、心臓を運動で鍛えることができるのは成長途中の若者に限ったこと。無理な運動を突然始めると、命を縮めるリスクのほうが高まります。
そこで、体の中でも太い血管がある場所の血流をよくするストレッチを取り入れましょう。
スムーズな血流を保つことこそ、血行促進に必須の条件と言えます。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれる部分。重力によって上半身に戻りづらい血流も、ふくらはぎの筋肉や腱を刺激することで、ポンプのように上半身へ押し流します。

 
●寝たままでOK ふくらはぎ運動で血行促進
ふくらはぎを伸ばすために、足の指をグー・パーとじゃんけんするように動かしてみましょう。グーの指の時は指先を丸めたまま、足全体を遠くに伸ばすように。パーの指の時は、足裏全体に力を入れて、かかとを前に押し出すようにします。
グーとパーを交互に10回程度、各3~5秒かけてゆっくり力を入れたり抜いたりします。この運動を続けると、ふくらはぎの筋肉が固くなるのがはっきりわかるでしょう。
このストレッチ運動は、座位または寝たままの姿勢でもできます。また、グーの足の時に、上半身もそるように伸ばすと、腰回りにも力が入ります。全身の緊張と弛緩を繰り返すと、さらに血行が良くなって、徐々に体が暖かく感じてくるでしょう。
ただ、力を入れているときも呼吸をすることを忘れない様にしましょう。息を止めて伸びるのではなく、むしろ、息を吐きながら体を伸ばすイメージを持つ方が効果的です。