床ずれケアの注意点は何?時間の経過と症状の関係

床ずれが起こる原因は何か。
これは「圧迫とズレ力」だということが、いろんな書籍や症例紹介Webサイトで触れられています。ただ、床ずれが起こるそもそもの原因は、体の一部または半身等に見られる神経系麻痺や、高齢者の加齢による寝たきりの状態のような、「体を自分の意志で自由に動かせない(部分がある)」ところにあります。
自立した生活を送ることが難しい人には、介助や介護、看護を担う人が必要です。行動に不自由を感じる人をサポートする人は、床ずれを発生させないためにまず「時間」の管理と観察を見直してみましょう。


○床ずれ発生を防ぐための時間管理
寝たきりの人や、体の一部が動かしづらい人には、介助の手による体位変換を要します。一般的な臨床現場のなかで、これまでは床ずれをおこさないために必要な体位変換の時間的サイクルを「2時間」と定義していました。
一定の圧が2時間を越えて継続的にかかると、皮膚に変化が現れるという実験データをもとにしてこの時間が割り出されたとされています。

 
●床ずれ予防に効果的な体位変換サイクルは何時間?
しかし最近は、高齢向け福祉用具や身障者医療用具の開発も進み、体圧分散型マットレスの種類や活用場面も広がっています。
二層式エアマットレスを使用している寝たきり患者は、同一の体位で4時間までは床ずれ発生の危険性が少なくなったという結果もあります。
ただ、患者の年齢や体重、皮膚状態、自立支援が必要になってからの年月、在宅または病院内など、身体状態と環境は人それぞれに違うので、「最低2時間を越えない範囲で」体位変換をすることが望ましいと日本褥瘡学界のガイドラインでは推奨しています。

 
○床ずれによる全身症状 原因が何か
床ずれと認識する際に見られる症状は「局所的な皮膚の損傷」が代表的。
全身のバリア機能を担っている皮膚が傷つき欠損すると、炎症を進め感染を起こすリスクが高まります。
仮に創傷部分が感染を起こした場合、その傷から感染源が全身に廻り、発熱・低体温・頻脈・意識障害などの全身症状が起こることもあります。全身症状を放置すると、多臓器不全など重篤な状態に陥ることがあるので、異変を感じたら定期の観察時間を待たず直ちに血液検査を実施し、医師の診察を行いましょう。
感染の元は何かを可能な限り早く特定し、その細菌やウイルスに効果がある抗菌薬を用いなければ、症状は一時的に回復しても治癒にいたりません。適切な処置に取り掛かるまでの時間が早ければ早いほど、予後の経過も良くなります。
床ずれの状態や症状にあわせて、確認すべき点は何があるのか、どれ位の時間を目安にケアをすれば良いのかを患者一人ひとりに沿って考え、対処することが大切です。