介護福祉士とケアワーカーの違いを説明できますか?

介護・福祉分野ではさまざまな職種の方がそれぞれの専門性を活かして働いておられます。その中で介護福祉士やケアワーカーも重要な職種ですが、この2つの職種についての違いがよくわからないと思われる方も少なくないようです。

○介護福祉士とケアワーカーの違い
介護福祉士とケアワーカーの違いは「国家資格を有しているかどうか」という違いです。介護福祉士と名乗るには定められた教育課程を修了して介護福祉士国家試験に合格しなければなりません。
介護福祉士は業務独占(※)ではないため、基本的に介護福祉士にしかできない行為はありません。(後述しますが、一部医療行為は実務者研修を修了することで可能です)よってケアワーカーは資格がありませんが介護福祉士と同様に介護行為をすることは可能です。
また、ケアワーカーという資格は存在しないため、事業所によっては「介護職員」と呼称する場合もあります。
※業務独占…医師が病気の診断や手術などができるといったように、その資格があることにより特定の行為が認められていること。
※名称独占…資格がなくても特定の行為を実施してもよいが、資格がなければその資格名称を名乗ってはいけない。介護福祉士は名称独占に該当する。

○一部医療行為は実務者研修を修了しなければならない
平成28年度の介護福祉士国家試験より、実務経験を経て受験する場合には「実務者研修」を修了しておかなければなりません。この実務者研修のカリキュラムでは、医療行為に該当する喀痰吸引と経管栄養の投与についての技能を身につけるための講習も含まれており、実務者研修を修了すればこの2つの医療行為を現場で実施することができます。(もちろんケアワーカーでも実務者研修は受講でき、修了すればこれら2つの医療行為を現場で実施することができます。)

○給料に違いがある!
介護福祉士とケアワーカーには給料に差がでます。給料の内訳は基本給+諸手当となりますが、介護福祉士の資格をもっていればひと月5000~1万円程度の資格手当がつく事業所があります。
介護福祉士の方で求人を探しているのであれば資格手当がつくようなキャリアパスを重要視してくれる事業所がよいでしょう。

○ケアワーカーの方は介護福祉士を目指すことを視野に入れよう
仕事内容はそれほど変わりませんが、国家資格を有しているため給与面では介護福祉士が有利といえます。
また現場においては、経験を経て後輩の介護スタッフが入社してきた際には介護福祉士という資格がある方が後輩の指導がやりやすいようです。特にその事業所での役職を狙う場合には、業務上において介護福祉士の資格が必要ないとしても資格を持っていたほうが信頼を得られやすいでしょう。