床ずれになりやすいポジション 腰痛に注意

体の局所が圧迫されることによっておこる床ずれは、体を横たえた姿勢で過ごす寝たきりの人にとって、特に切実な問題です。
ずっと同じ姿勢で過ごしていると、体圧を感じて痛みが出ます。この痛みの原因が何か。そしてこの痛みを取り除くためにはどうしたらいいか。痛みと床ずれには大きな関係がありますので、体の痛む箇所を注意してケアしていくことが、床ずれ解消にも有効です。


〇床ずれが起こる姿勢は
体をベッドに横たえたとき、本来は十分に体を休ませるはずの姿勢なのに、起きて痛みを感じる箇所がありませんか。
睡眠・休息をとる、体に負担をかけない姿勢であるはずの仰臥位が、実はからだにとって負担になることもあるということを知っておきましょう。

 
●床ずれになりやすい箇所を知る
床ずれが起こりやすい場所についておさらいしておきます。
まずは、体のなかでも骨の突出が激しい部分、肩(肩甲骨)や後頭部、仙骨部分、かかとなどです。これらの箇所は、皮下脂肪も薄く、皮膚層と骨が非常に近いため、少しのずれ力や体圧で床ずれを起こしてしまいます。
この、床ずれが起こりやすい箇所(好発部位)を保護して、圧迫をふせぐことがポイントになります。

 
●床ずれと仰向け寝の姿勢に注目
好発部位の圧迫を避けるために、ベッドと骨突出部分が当たる箇所にクッション材やピローを置いてホールドする方法があります。ただ、実際に床ずれが起こりやすい部分にクッションを敷くと、体が不自然に折れ曲がった姿勢になるのがわかるでしょう。
立った状態では、人間は背骨が自然に湾曲して、全身の均衡を保っています。この背骨の湾曲は、平面に寝た姿勢になると、背中・腰・首・膝裏部分に隙間を作ります。
仰臥位(仰向け)が長くなると、ベッドに触れないこの隙間部分の筋肉が緊張し、骨に体の重みが集中します。そのため、腰痛や背中の痛みを感じやすくなるのです。

 
〇床ずれと腰痛を起こさないポジションは
ベッドに触れてずれ力が生じる好発部位を保護するという方法と、背骨の湾曲が原因で起こる仰臥位の隙間を埋める方法を合わせて、寝た姿勢のポジションと体圧バランスを考えましょう。
隙間があれば、その部分に力が加わって痛みが起こります。圧迫もまた、血流を阻害してしびれを起こし、ずれ力が加われば床ずれになります。
一か所の床ずれケアに注目してケアを試みると、他の箇所に体圧がかかる環境に陥りやすくなりますので、全身のあらゆる痛みを解消するためのポジショニングを考えて、定期的に体位を変えてあげるようにしましょう。