国家資格であるOTになるためには?

理学療法士や言語聴覚士と共にリハビリ職として働く専門職に作業療法士がいます。国家資格である作業療法士の仕事とはどのようなものでしょうか?
作業療法士をどのように目指すことができるでしょうか?ご紹介したいと思います。

・OT:作業療法士とは?

英語でOccupational therapist(オキュペイショナルセラピスト)と言われることから、略して「OT」と呼ばれる作業療法士は、医療従事者(コメディカルスタッフ)の一員で、理学療法士(PT)や言語聴覚士(ST)とともにリハビリテーション従事者です。

身体障がいや発達障がい、精神障がい、老年期障がいなどにより日常の生活を送る事が不自由である人、困難を感じている人を対象に医師の指示のもとで、スポーツや園芸、木工、陶芸、音楽などの作業活動を行います。

これらの作業活動を通した指導や訓練によって日々の細かな生活動作ができるよう、また社会復帰できることを目的としたリハビリテーションを行います。
身体面だけでなくメンタル面での回復をサポートする役割も担っています。

・OTになるためには?

OTになるためには作業療法士の国家試験に合格する必要があります。この試験には受験資格があり、厚生労働省または、文部科学大臣が定めた作業療法士の養成課程がある大学、短大、専門学校で3年以上学び、所定の科目を修める必要があります。
その後1年に1回、2月に行われる国家試験を受け、合格すると作業療法士の国家資格を取得することができます。

・OTの国家試験は難しい?

平成29年2月26日に行われた、最新の作業療法士の試験では5,983人が受験しました。そのうち合格したのは、5,007人で合格率は83.7%です。
過去の結果を見ると、以前までの合格率は9割以上で、養成課程をしっかり修了しておけばそれほど難しい試験ではないと思われてきましたが、受験者数が増加している近年、70~80%と合格率が低下している傾向にあります。
80%前後あるので合格率としてはそれほど低いものではありませんが、難易度が上がってきているのは事実です。養成課程で国家試験対策など専門的な勉強を強化しておく必要があるかもしれません。

・まとめ

OT(作業療法士)は病気や年齢、障がいによって日常生活に対して身体や心に困難を抱えた人をサポートし、生活の質を向上させることや、社会復帰を目指すためのリハビリテーションを行います。
国家資格であるOTになるためには、作業療法士国家試験の受験資格を得るために、定められた3年以上の作業療法士養成課程を修了したうえで受験しなければいけません。
難易度が上がっている国家試験に合格するために、養成課程でしっかり学ぶことが重要です。特に専門性を試す試験は難しい年があるので、対応できるように在学中にしっかり学んでおきましょう!