寝たきりの姿勢を支えるクッションと適切なポジショニング

床ずれの予防には、できるだけ広い面積で体の重みを支えることが重要です。そして、点で圧をかけないために、圧分散を慎重に行う必要があります。
最近では福祉用具も充実し、その精度も高くなってきていますが、頻繁に体位変換をして圧分散をする必要に変わりはありません。


○クッション選びと寝たきりのポジショニング
体全体の圧を分散させるために、マットレスの導入を検討するか否かが、床ずれケアの分かれ目をもいえます。マットレスは体圧分散にとても有効ですが、やはりレンタルや購入をするとなると、相応の費用がかかります。
手軽に寝たきりの姿勢を楽にし、床ずれ予防を始めるならば、クッションの導入が効果的です。ただし、クッションにもたくさんの種類があります。安定したポジショニングを実現するために、クッションを導入する際のポイントを理解しておきましょう。

 
●寝たきり患者ごとの身体観察
ずっとベッドに横たわって経過を観察したり、治療を行ったりしている寝たきりの患者は、身体の病気や怪我、老化など、体の状態に一貫性は無く、また日々変化をしています。
体がどの程度自力で動かせるのか、また治療装具などの影響で体が浮いている場所が無いか、利き手や寝る方向の癖はあるか、など、その人一人ひとりにあったポジショニングを理解して、除圧を行うことが大切です。

 
●体圧のかかる方向とクッションの導入
クッションを使用して除圧をする場合には、関節の柔軟性・重心のかかる方向・体のねじれ・体圧の程度、という4つの条件を観察してみましょう。
寝たきりの人の体半身に治療用具を取り付けている・半身麻痺がある、という場合は、体が右または左に重心を置きやすく、体が臀部(腰部)からねじれやすくなります。
重心に偏りが生じていれば、半身(上下・左右)の一部に圧がかかりやすい箇所が出てきますので、かたよった重心を戻して、全身が安定する様にポジショニングしていくように意識しましょう。

 
○クッションの利用方法
どの場所にクッションを置けば効果があるのか、一見してわかりづらいところもあるでしょう。大きな圧がかかる箇所は体重の落ちる方向も関係します。隙間にクッションをしきこむ方法で一時様子を見ましょう。
体重がかかる面積を、広げるようにしてクッションをしきこんでいきます。すると、支える面が大きくなり、局所の圧が抜けやすくなります。
寝たきりの状態で好む癖、円背や拘縮の有無、関節の硬さなど、一人ひとりの状態にあったポジショニングを行うことで、褥瘡予防の効果は高まります。
クッションをしきこむときのズレ力も注意しながら、寝ていて楽なポジショニングを行いましょう。