寝たきりの状態が長くなったら 褥瘡予防のアセスメント

入院している患者の場合は、看護計画のなかに褥瘡予防の注意をおこなう経過観察がはいりますが、在宅で寝たきりの状態が長くなると、どうしても観察を続けることが難しくなり、床ずれを起こしやすくなりがちです。
ケアマネージャーや、介護支援員の力をかりながら、その時々に応じた褥瘡のケアを行えるように、常に全身のアセスメントを行う方法とポイントを確認しておきましょう。
もちろん、入院患者に付き添う介護人も同じです。どのようなことに気をつけて褥瘡予防をするのが効果的なのか、ポイントを知っておくことで、日ごろの付き添いが症状緩和につながっていきます。


○褥瘡の発生原因と状態を共有する
入院している寝たきりの患者さんは、どのような体勢をとることができるのか、また傷のある場所を確認してどのような姿勢はとるべきでないのかということを理解しておきましょう。
在宅で寝たきりの患者をケアする介護人は、実際に支援員の人や訪問看護師に、ベッドの状態や生活の様子を見てもらってアドバイスをもらうと良いでしょう。そして、寝たきりの要介護者の情報を、かかわる全ての人に共有し、考え方をひとつにまとめて行き渡らせることが重要です。

●寝たきりの状態で使用している寝具に注目
毎日を当たり前に過ごしていると、その生活サイクルに注意する目が向かないことがあります。入院するために持ち込んだパジャマや愛用の枕、在宅で使用しているシーツにマットレスなど、毎日使っているものを当然に使おうとして、その素材の堅さや高さなどが患者にあっていないことがわかるケースもあります。
どんなものを使うのが最適か、そしてどのような点に注意して体位変換や移動、寝た姿勢を維持すればいいのかということを、一度再確認しておきましょう。褥瘡の程度や進行具合によって、前に共有した情報がそぐわなくなっているということもあります。

 
○寝たきりの体圧分散と状態変化を考えて
実際にどのような体勢ですごすことが楽なのかを、寝たきりの状態から確認して、体圧分散方法を検討します。人には好むポジションや癖があるので、介護人が体位変換をしても、癖や好みに合わずに自分で体位を戻してしまうことがあります。寝たきりの体にかかる加圧を分散させる方法は、その人にとって不快にならないポジションで検討しましょう。
褥瘡が発症している箇所が増えてしまった、または治癒した場合など、体圧が加わる場所と除圧が必要になる場所は頻繁に変わることが想定されます。
寝たきりの状態にある患者が、より快適に過ごせるポジションとりつつ、上手に除圧できるようにピローやマットレスの変更、追加を考えていきましょう。