しびれという症状は、うまく言葉に表しづらい体の不調です。その症状の出方も様々で、常に感じるかまたは一時の物なのかによって、その症状に対する危機意識も変わってきます。
○「しびれ」が明確な症状としてとらえられない
しびれる、という言葉からどのような症状を想像するかは、聞いた人の主観によるいわば感覚に強く影響します。
長時間正座をしていた後に感じるような足のしびれもあれば、手や足に電気が走るようなビリビリとした感覚も、伝える側の立場からすれば「しびれ」という表現でまとめられるかもしれません。
具体的な症状を擬音や擬態で表しても、受け取る側が「しびれ」と感じ取ることもあるでしょう。
●大切なのはしびれる部位を知らせること
痺れを感じても、一時のものだろう・たいしたことではないと思いがちですが、その症状は重大な病状を表すサインの場合もあります。
体のしびれる場所に病気が潜んでいるとも限りません。医師に相談する時は、体のどの部位に痺れがあり、それがどれほどの感覚で表れるかをきちんと伝えるようにしましょう。
●体部位に表れるしびれの特徴と病気
体の一か所だけがしびれる場合と、複数か所に感じる場合とがあります。局所かまたは部位全体に感じるかによっても、表現の仕方が変わってきます。
しびれという症状が、どの部位でどのように現れるかを人体図に書き込んで伝えるという方法は非常に効果的です。明確に「ここからここまでが●●のようにしびれる」という表現ができると、その先に潜む疾病を探す手掛かりになりやすくなります。
●しびれの原因を特定するには
広範囲にわたる痺れや、ピンポイントに感じる痺れなど程度は様々です。痺れを発症する神経障害には、脊髄や脊椎の障害・末梢神経の障害・筋肉の障害・脳の障害 等があります。
心配なのは脊髄や脳の病気が原因となって引き起こされる痺れでしょう。ここで、目安となる障害や病気に関係する痺れの表し方を紹介します。
一般的に、脳に障害が生じた場合は、手足に力が入りにくくなる・感覚が鈍くなるという症状が現れます。一か所にとどまらず、いろんな場所に痺れが広がる、痺れの場所が変わる場合には、ウイルスや感染症が元となる場合が多いです。
また、交通事故などで頸椎や腰椎の圧迫・ねんざ(いわゆるムチウチ)をした場合は、片側下肢(腰椎)、指先や腕の一部(頸椎)に痺れが出やすくなります。
一言でしびれる感覚を正確に伝えるのは難しく、重症度も低くとらえられがちです。ただ、レントゲンや検査結果に表れにくい症状でも、実際に感じる人にとっては辛いものです。違和感があれば、自己判断だけで終わらせずに、外科・整形外科、脳神経外科や神経内科を受診し、少しでも早く楽に生活できるように診断を仰ぎましょう。