褥瘡の看護に必要なこととは?大切なのは3つのケア

高齢者の皮膚は老化によって細胞分裂が衰えている状態なので、肌の表皮のターンオーバーまで時間がかかり新陳代謝が悪くなっています。

毛包や皮脂腺が萎縮し汗や皮脂分泌も減少しますので、バリア機能の働きをする皮脂膜も形成されにくい状態です。

高齢者の肌は褥瘡ができやすい

弾力性の低下した高齢者の皮膚は、圧迫やずれなどの刺激で褥瘡ができやすい肌質だと言えます。

そのため刺激が加わることで褥瘡発生リスクが高い状態の時に、組織耐久性をいかに保持できるかが看護ケアのポイントになるでしょう。

褥瘡の症状とは

褥瘡はまず皮膚が赤くなってきます。その後、その部分が水ぶくれとなり皮膚が破れただれを起こします。

ただれから液や膿が出ると今度は潰瘍になり、さらに悪化した場合には傷口が広がって骨が見えるようになります。このような状態になるとかなり深刻な状態と言えるでしょう。

褥瘡を予防するために必要な3つのケア

褥瘡を予防するために、対策として行うべきことは除圧とスキンケアが重要になります。また栄養バランスの調整なども必要です。
・除圧

自分で体位を変えられない場合や、障害や麻痺がある場合、骨が出っ張っている場合、皮膚や筋力に衰えがある場合には有効な方法です。

枕や除圧マットを使うことで圧力を軽減することができます。

褥瘡が発症しやすい部位に圧力が継続してかからないように体の向きを変えていくことが必要です。

寝具や衣類のしわも褥瘡の原因となりますので注意しましょう。

また、骨の突出した部分は皮膚の摩擦を強く受けやすいため、保護テープなどを貼るって保護するなども検討されます。
・スキンケア

汗や尿、便などの汚れは洗い流し清潔を保つことがまず前提となります。

洗う際には熱過ぎるお湯で流すことやゴシゴシとこすることは避けましょう。石鹸などを良く泡立てて十分にすすぎを行うことが必要です。

その上で保湿クリームやローションなどを使って皮膚の保湿や保護を行います。

皮膚を保湿することで乾燥して水分が不足することを防ぎますので、肌のバリア機能が低下してしまうことを予防することができます。

褥瘡予防のスキンケアは、皮膚の健康を少しでも維持・改善し、保護機能が十分発揮できるようにするためのケアです。

汗や排泄物、外部からの刺激が皮膚に負担を与えることを軽減するが目的です。
・栄養管理

褥瘡を予防するための栄養管理の基本となるものは、低栄養を回避し改善することです。

疾患を考慮し、高エネルギー高蛋白質のサプリメントで補給を行うことが必要です。口から栄養補給することが困難な場合には、経腸栄養や静脈栄養も行われます。

褥瘡の看護に必要なことは?

褥瘡の予防策からもわかるように、長時間圧迫を受けた場所の細胞が壊死するのはその部分に酸素や栄養が行き渡らなくなるためです。

酸素や栄養を運ぶのは血液ですから、血流を改善させることが褥瘡予防に繋がると言えます。

皮膚の深いところから壊死すると、大きな潰瘍となって感染症などを引き起こすと命に関わることもありますので注意が必要です。